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2012年1月25日 (水)

映画がおわった! テオ・アンゲロプーロスが事故死~新三部作は完成せず

みなさん、1月24日の午後、映画の歴史が突然に幕を閉じました。本当の映画を撮る、最後の巨匠が亡くなられたのです。テオ・アンゲロプーロス・・・私が愛して止まない最高のマエストロの命が、オートバイにはねられるという悲劇によって奪われてしまったのです。この悲報に、私はまったく打ちひしがれております。どれだけ深い悲しみか、余人には想像がつかないでしょう。

氏は1935年、アテネの出身。早くから映画の道を志したが、アカデミーの教育には合わず、独自の道を歩み出すしかなかったようです。フランス留学を打ち切り、アンゲロプロスは軍部の台頭が進む1960年代中葉のギリシアに帰って自らの道を探ることになりました。最初の三部作を皮切りに、圧倒的な個性で芸術的な評価を高めていく過程は、きっと、私よりもみなさんのほうがよく知っておられるでしょう。

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2012年1月23日 (月)

国内オーケストラ事情 (前篇)

来季のプログラムも開いてくる時期なので、全国のオーケストラのホームページを巡回してみたところ、結構、知らないことがたくさんあって驚いたり、楽しみだったり、ときには残念だったりした。総論として思ったことは、オーケストラにとって厳しい情勢下、みんな、よく努力しているが、それも限界まで来ている感じだということ。あと何年、私たちはオーケストラの演奏を楽しむことができるのだろうか?

【札響】

札響では、来季のプログラムが開いた。エリシュカの演奏会については、前にも書いたので繰り返さない。正指揮者である高関健が退任するはなむけに、ベートーベンの『荘厳ミサ曲』が演奏されるなどして豪華だ。11月の定期では、ジョン・リルがベートーベンのピアノ協奏曲第5番の独奏で登場する。リルは31日の公演を聴く予定なので、ワタクシメの拙い印象にすぎないが、ここのページで取り上げるのを参考にしてくださるとありがたい。尾高はBISアーティストらしく、シベリウス・ツィクルスをスタートする。札幌には、相応しいかも。

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2012年1月20日 (金)

ハーディング マーラー 交響曲第9番 新日本フィル トリフォニー定期 1/20

【労多くして功少なし】

私は、ハーディングの演奏に何度も感動を味わってきた。アンチでは、決してない。アーノンクールも言うように、音楽が言葉であることを思い知ったマーラー・チェンバー・オーケストラとのモーツァルトの39-41番の演奏では、正に涙とともに、手に汗握る演奏で、終演後にはスタンディングに至るほど感心した。相模大野の地で、「サンキュー、ダニー!」と叫んだ記憶も新しい。東京フィルを振ったマーラーの交響曲第2番「復活」、新日本フィル(NJP)を指揮したドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」(四川大地震のためのチャリティ)のいずれの公演も素晴らしく、いま思い出してもエキサイティングな気分になれる。録音でも、ドイツ・カンマーフィル・ブレーメンを指揮したブラームスの4番は特にお気に入りなのだ。

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2012年1月18日 (水)

ツイッターを使ってみることに。

アリスの音楽館でも、ツイッター Twitter を使ってみることにしました。

このページでは、敢えて私の音楽体験のみに特化して記事をつくっていますが、ツイッターのほうもその位置づけに準じることは変わりません。しかし、ブログのほうでは十分に研究してから、ある程度、まとまったところで記事を公開しています。この録音には少し触れておきたいと思っても、時間がなくて、なかなかアップに至らないうちにお蔵入りすることも少なくありません。

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2012年1月15日 (日)

エリシュカ ドヴォルザーク 交響曲第6番 & ヤナーチェク シンフォニエッタ N響 A定期 1/13-14 ②

【すべて生きとし生けるものへの讃歌】

初日を聴いた時点では、確かに深く感動は感動したものの、『シンフォニエッタ』についてはほんの一部について書くに止め、エモーショナルに書くことでお茶を濁そうと決めていた。だが、2日目の演奏を聴いては、そうも行かないのである。

今回の演奏会のテーマは、見慣れたものがある日、突然になにか美しいものに変容するときの感動である。正に、『シンフォニエッタ』とはそのような曲だ。それまでは目を惹くようなものではなかった市庁舎やら、街路といったものが、急に輝きを取り戻す。革命によって! 晩年の愛人、カミラ・ステースロヴァとともにソコルという愛国的なイベントに出る軍楽隊を眺めていたときに、ヤナーチェクは有名な冒頭のファンファーレの着想を得たという。ただし、そこはヤナーチェクのこと。実際のソコルには参加の足跡もみえず、きっと、その手の「愛国」には見向きもしなかったであろう。チェコが革命に成功したと言っても、ヤナーチェクの愛するモラヴィアはその中に包み込まれていたし、なにより、それを成し遂げた「愛国者」連中にも信頼を置けなかったであろう。彼が祝ったのは、あくまでも架空の・・・ヤナーチェクの想像力のなかに蘇った理想郷の「独立」である。

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エリシュカ ドヴォルザーク 交響曲第6番 & ヤナーチェク シンフォニエッタ N響 A定期 1/13-14

【エリシュカのもつ2つの顔を担当する2つのオケ】

エリシュカにとって、この場所(渋谷)はとてもエキサイティングではあるが、終着駅ではあり得ない。N響での3公演を聴いた、素直な感想である。特に、ドヴォルザークの交響曲第6番とヤナーチェクの『シンフォニエッタ』は札響でも演奏を披露しているため、そことの比較が重要な意味をもってくるはずだ。そのことにも触れながら、慎重にレヴューをつくっていきたい。

ドヴォルザークには、2つの異なった顔がある。ひとつはもちろんスラヴ人としてのハッキリしたアイデンティティに基づく顔で、そのヒーローは言うまでもなくスメタナである。一方で、ワーグナーをはじめとするドイツ音楽の伝統に傾倒し、それを生真面目に追っていくドイツ的な気風も重要だ。このうち、札響との共演では前者の面が「労せずに」表出されるのに対し、N響においては後者の面が強調されて現れる。これはエリシュカが、自分が受け継ぎ育ててきた知見やアイディアを堅固に守りながらも、それぞれのオーケストラの良さをそれに合わせてどのように引き出すかという「道」行きのちがいから導かれる結果であろう。

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2012年1月 9日 (月)

エリシュカ ドヴォルザーク 交響曲第9番 ほか N響 オーチャード定期 1/8

【エリシュカについて】

近年、よく知られるようになってきた指揮者、ラドミル・エリシュカについては、これまで多くのことを語ってきた。氏は本場・チェコにおけるドヴォルザーク協会の会長、そして、優秀なアカデミシャンにして教育者。ヤナーチェクの直弟子で、その信頼も厚かったブチェティスラフ・バカラの弟子として、自身、有能な指揮者としても活動したが、その成果は社会的な動乱やチェコ人のもつという独特な気質によって遮られ、思うようには進まなかった。氏はドヴォルザークやヤナーチェクを中心として、チェコ音楽のコンサート・プログラム(つまり、オペラ以外のプログラム)における権威であると見做されている。

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2012年1月 2日 (月)

ベートーヴェン弦楽四重奏曲〔8曲〕演奏会 クァルテット・エクセルシオ&古典四重奏団&ルートヴィヒ四重奏団 12/31

【ベートーベンの弦楽四重奏曲=8曲演奏会】

東京文化会館の大ホールでおこなわれるベートーベンの交響曲全曲演奏会に対抗するように、お隣の小ホールで始まったベートーベンの室内楽、ラズモフスキー・セット+後期の6曲を演奏する企画(ミリオンコンサート協会主催)も恒例化している。近年はメンバーも固定し、クァルテット・エクセルシオ(エク)、古典四重奏団(クラシコ)と、この企画のために結成されたルートヴィヒ弦楽四重奏団(ルートヴィヒ)が、ローテーションで3曲ずつを演奏している。今年は、エク、クラシコ、ルートヴィヒの順になり、後述のように、クラシコは『大フーガ』を13番の第6楽章として演奏したため、「9曲」(究極)→「8曲」演奏会となっている。

【客観性を高めたエク】

トップ・バッターは、ご贔屓のクァルテット・エクセルシオである。ラズモフスキー第2番は定期で取り上げたばかりなので、気になるのは1番と3番の出来になる。しかし、エクの演奏もとうとう、ここまで来たかという見事な演奏になった。エクのここのところの充実ぶりは目を惹くものがあり、彼らの活動のひとつひとつが演奏のなかに溶け込んできているように思う。その活動とは、世界でも稀にみる弦楽四重奏団のNPO化、地域での教育活動などのアウトリーチというような社会的観点から、ハイドンやベートーベンの楽曲をまとめて取り上げてきたこと。現代音楽等へも相変わらず、活動のウェイトをかけてきたこと。そして、サントリーホールでのチェンバー・ミュージック・アカデミーの指導体験などである。

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2012年1月 1日 (日)

あけまして、おめでございます ~サントリーホール/ジルベスター・コンサート with ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団 のこと

【ベートーベン晩年のウィーン】
あけまして、おめでとうございます。2012年が、皆様にとって良い年になりますことをお祈り申し上げます。ジルベスターは、例年どおり、東京文化会館にてベートーベンの室内楽コンサートを楽しみましたが、今年はすこし贅を尽くしまして、最後のルートヴィヒ四重奏団の演奏を1曲残して会場を去り、サントリーホールにて行われるウィーン・フォルクスオーパー響の演奏を楽しみました。まともなクラシック・ファンはあまり行きそうもないコンサートですが、実はというか、ここのページではよく書いているように、私はウィンナー・ワルツが大好物なのです。

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2011年12月31日 (土)

激動の1年が幕を閉じます ~最後はハンス・ライグラフ氏で

日本にとって、忘れられない1年がおわろうとしています。東日本大震災というものを通じて、私たちは、少しだけ成長することができたかもしれません。しかし、同時に、私たちがどれだけ経済的にも、あるいは、社会的にも自立しているつもりであっても、まだまだ子どものようなものだということも、ハッキリ明らかとなりました。その子供の代表たる政治家がおこなう政治が悪いのも、何をか況やというところでしょう。こんな1年でも、私を支え続けたものが音楽であったことは言うまでもありません。

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«下野竜也 『第九』 読響 特別演奏会 @東京オペラシティ 12/20 ②

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