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2018年4月19日 (木)

金子陽子 fp (アントン・ヴァルター・モデル) ハイドン ソナタ第62番 / バッハ パルティータ第6番 ほか 鵠沼サロンコンサート 372nd 4/17

【概要】

フランス在住の鍵盤楽器奏者である金子陽子さんのリサイタルを、鵠沼サロンコンサート(室内楽愛好会)の場で聴いた。同会は1990年に発足。江ノ島にちかい鵠沼をベースとして、小規模なレストランなどの会場で質の高い公演を主催し、この日までに370回以上の実績を誇る息の長い活動を続けてきた。現在のサロン・スペースを提供するのはフレンチ・レストラン「レスプリ・フランセ」で、普段は結婚式場、フランス語サークルなどの文化サロンとしても機能しているところのようだ。定員は60名。いちどは足を運んでみたかったサロン・コンサートだったが、ガブリエル・ピアノ四重奏団の演奏を聴いて以来、録音は手もとにコンプリートしている鍵盤奏者、金子陽子の肝煎りによる企画とあれば、悪かろうはずがなかった。

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2018年2月16日 (金)

東京現音計画 #9 コンポーザーズセレクション4 近藤譲 1/31

【テニーの意外な顔】

東京現音計画の第9回のコンサートは、作曲家の近藤譲によるセレクションの回だった。このグループは、電子音響テクニシャンの有馬純寿、サクソフォン奏者の大石将紀、パーカッショニストの神田佳子、ピアニストの黒田亜樹、そして、チューバやセルパンといった低音の金管楽器を扱う橋本晋哉というメンバーをコアに構成されている。この日は1曲だけ、ヴァイオリンが入る曲があるため、亀井庸州がゲスト出演した。

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2018年2月 8日 (木)

関根日出男先生 一周忌 追悼演奏会 りんごとさくらのコンサート 2/6

【深いトレモロに感情を込めて】

チェコの言語、音楽、文化の研究家で、医師であった故関根日出男先生の一周忌を悼む音楽公演を覗いてきたので、報告したい。生前、氏は耳鼻咽喉科の医師として、東京の赤坂に開業され、患者を診る一方で、冷戦時代よりチェコの言語や音楽、文化に関する資料の収集等に努められ、日本におけるチェコ音楽の研究と普及に一方ならぬ貢献をされていた。昨年の1月18日、惜しくも亡くなられた。常に医師が本業であり、専門の学者ではなかったにもかかわらず、その業績にはしばしば一目が置かれ、2009年にはチェコ政府より「チェコ芸術の友賞」を授けられたことで、いっそう輝きが増した。

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2017年12月14日 (木)

デニス・ラッセル・デイヴィス プロコフィエフ 交響曲第6番 ほか 新日本フィル JADE #581 11/29

【フランス6人組とその時代】

デニス・ラッセル・デイヴィスが新日本フィルに初登場したが、なかなかの好相性であった。現在、楽団の体制は上岡で固まっているので、変更の余地は少ないが、可能性があれば、客演を重ねて関係を温めてほしいと願う。それにしても、珍しいプログラムが並んだ。演奏会を貫くキーワードは孤独と協働(他者、もしくは、過去の自分と)、未来への予言と抵抗、本当の愛国心、隠された楽器の役割と関係、2つの戦後と軋む社会、明朗な悲しみ、信仰と平和といったところであろう。これだけのことが、パッと思いつくほどの優れたメッセージに満ちたコンサートだったのである。

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2017年12月12日 (火)

相曽賢一朗 vn & 濱倫子 pf デュオ・リサイタル ベートーベン ヴァイオリン・ソナタ第1番 ほか @浜離宮朝日ホール 11/24

【新しいデュオ結成】

ピアニストの濱倫子の活動については、このページでも繰り返し取り上げてきた。私が最後に聴いたのは2014年の個人リサイタルで、その後、まったく来日(帰郷)がなかったわけではないが、数年ぶりに足を運ぶことになった。3年前には身重だったのが楽になり、学生時代以来のトリオからは脱けて、少しずつ環境が変わっている。ミリオンコンサート協会に国内のマネジメントが変わっても、あまり見るべきものはなかったが、今回、同事務所のヴァイオリン奏者、相曽賢一朗とデュオを組むことになり、ようやく新しい一歩を踏み出すことができた。両者は数年前から時間を見つけて邂逅を重ねてきたそうだが、2人を結びつけるのに役割を果たしたのはオーディオ出身の評論家で、プロデューサーの中野雄氏であるらしい。濱はドイツのカールスルーエを拠点に活動し、相曽は米国で、それぞれ演奏家、教育者として評価を受ける一方、母国ではあまりにも無関心に曝されているというべきだろう。

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2017年12月 3日 (日)

【番外記事(フットボール)】清水エスパルス、小林監督の評価について

フットボール「J1」リーグの清水エスパルスは、2017年のシーズンを8勝16敗10分の勝ち点34、年間14位で終えた。最終節の白星でサンフレッチェ広島を抜き返し、順位をひとつあげたが、ドロー、もしくは敗戦なら、ヴァンフォーレ甲府にキャッチアップされて、16位でJ2降格という憂き目も考えられる結果だった。シーズン前、第1目標は予想残留ラインの勝ち点40であり、それを越えたら、一桁順位でのフィニッシュをめざすというものだったから、目標をショートし、例年ならば、降格もあり得た結果である。上位と下位の差が大きく、下位3チームの結果があまりにも悪かかっために、エスパルスは命拾いした。降格チームの大宮アルディージャは前年5位と実力を高めていて、降格は免れたものの、エスパルスより下の結果におわった広島も実力の高いチームだっただけに、エスパルスは運がよかった。

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2017年11月20日 (月)

西澤健一(作曲、脚本) 歌劇『卍』 (原作:谷崎潤一郎) 世界初演 11/17

【作品と背景】

作曲家・西澤健一の作品をはじめて耳にしたのは、2012年の個展においてであった。西澤氏がどのような立場にある作曲家なのか、私はそれほど詳しいわけではないが、自らの才覚だけを頼りに、インディペンデントな活動をしているように見えるのは間違いではあるまい。前衛主義というのとはちがう。もともと私に彼のことを紹介した人によれば、もとは斬新な手法に基づく作風であったのが、勇気をもって転身し、聴く人とのコミュニケーションを重くみる作風に変えていったということだ。

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2017年11月17日 (金)

ヴァレンティン・シルヴェストロフ 80歳記念ガラ・コンサート アレクセイ・リュビモフ pf ほか 11/9

【3時間で一挙に詰まった距離】

ロシアの作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフは、歴史のなかに埋もれた天才なのであろうか。そもそも、ここ100年ほどのクラシック音楽は、その歴史に触れるにも手ごろな資料が少ないのだが、わけてもシルヴェストロフは、そこからさらにはみ出るような場所で、美しい花を咲かせてきた。日本ではほとんど知られておらず、今回が初来日となった。そして、衝撃が走ったのである。いきなり80歳を祝う特別な機会で演奏された彼の作品には幅があり、同時に統一感にも満ちて、ずっしりと重かった。ホールのプロデューサーによれば2時間を予定していたというコンサートが、3時間に膨らんだのはなぜだろう。ともかくオペラよりも長い、この貴重な時間が私たちの距離をみるみるうちに縮めていったのだ。

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2017年11月13日 (月)

日生劇場 ドヴォルザーク 歌劇『ルサルカ』 演出:宮城聰 田崎組(一般公演/初日) 11/9

【芸術の使徒】

日生劇場のオペラ公演は、教育面や、契約者へのサービスという側面ももつ都合上、ユニヴァーサルな演出が求められる。それにもかかわらず、モーツァルトのほか、ヤナーチェク、アリベルト・ライマン、そして、今回の『ルサルカ』など、なかなか日本の舞台にかからない作品を手ごろな箱のなかで見せてくれる貴重なシリーズでもある。より開かれた対象に、本物の舞台を観てもらうという正攻法である。券売所で並んでいると、案内の女性が「オペラ」を「ミュージカル」と呼んでしまう微笑ましい劇場は、生音の音響としてはややデッドな弱点があり、グランド・オペラの上演にはオーケストラのためのスペースが足りないという問題があるが、ライマンのオペラを上演した際、オーケストラを一部、舞台にあげてしまう工夫が当たった。それぞれの公演の演出チームは変わっているものの、実践の蓄積のなかで得た知見は、年を経ても劇場のなかで確実に踏襲されているようだ。今回はさらに、合唱や管弦楽のバンダをときどき、客席を取り巻くように配置した山田和樹らしい趣向で、一歩前進というところである。劇場としては狭い空間を、効果的に拡張するアイディアであった。

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2017年11月 2日 (木)

エリシュカ フェアウェル・ツアー vol.2 リムスキー・コルサコフ 交響組曲『シェヘラザード』 ほか 札響 604th定期 10/27、28

【概要】

皆が、彼の健康を気遣う気持ちがなかったら、もっと長い拍手がつづいたかもしれない。一秒でも長く一緒の空間にいたいオーディエンスの気持ちと、老体にあまり負担をかけてもいけないという心遣いが鬩ぎ合うなかで、最後にエリシュカが元気な姿を見せくれた。舞台袖から、楽員たちもそれを見守っている。フェアウェル公演は、最高の雰囲気のなかで幕を閉じた。ラドミル・エリシュカと札響による幸福な10年はおわるが、この間に楽団は大きな変貌を遂げた。過去に所属した主要な団員が、N響コンマス、読響首席奏者、その他のオーケストラの首席クラスに就任しているように、リソースは初めから充実していたのだが、エリシュカとともに札響の名前が世に轟くと、そのリソースが一挙に花開いた。パスティエルとアルトゥスという2つのレーベルから出された10年以上に及ぶ録音のアーカイヴはそのまま、2002年に経営危機が報じられた札響が復活し、花開くまでの歴史を記録したことにもなろう。

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