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2009年7月13日 (月)

第45回 日伊声楽コンコルソ 本選 7/12

昨日の公演で、人の声というものはやっぱりいいものだなあ・・・ということで、とにかくたくさん聴けるコンコルソに足を運びました。早速、結果です・・・。

 第1位 山本 耕平 T.
 第2位 金原 聡子 S.
 第3位 富岡 明子 Ms.

なお、第1位の山本さんが、同時に歌曲賞を受賞しました。山本さんは昨年、イタリア声楽コンコルソのミラノ大賞にも選ばれているそうですから、イタリア系の声楽コンクールで2冠ということになりました。

私の感想では、2冠といっても、すぐにどうにかなるような人ではないと思います。今回も、まだ出来かけの状態で出てきた感じで、伸びしろは大いにありそうですが、現状では、そのフォルムを保つのに精一杯という感じにきこえたし、もっと柔らかく、伸びやかに声を使えるだろうという期待があります。舞台なれも十分ではありませんし、これからミラノにいらっしゃるそうですから、大いにしごいてもらうといいと思います。

第2位の金原さんは、アジリタの鋭さが目立ちました。ただ、意識がそこに行きすぎているのと、表現が知的にすぎる感じがして共感できませんでした。大事な部分とそうでない部分を整理して歌うのが、彼女の特徴と言えるのかもしれませんが、その「大事ではない部分」を歌うときに、いかに聴き手の注意を離さないかということが課題になると思います。

上位の2人に比べ、富岡さんは即戦力という感じがしました。ソプラノがつづいた中でのメゾということもありますが、とても深みのある声が印象的で、適度にコーティングされた声の艶、押し出しのつよい表現力の逞しさが、すぐにでも舞台に上げられそうな迫力をもっていました。ただし、ときどき表現が強引になるのが欠点で、それがなければ、より高い順位を目指せた可能性もあります。

「東京音楽コンクール」では、山下牧子さんが優勝した回に、第3位入賞をなさっています。このときの2位が駒井ゆり子さんですから、この第1回のコンクールはハイ・レヴェルだったといえそうです。

惜しくも入選のみに止まったメンバーの中では、ソプラノの田中樹里さん、同じくソプラノの松岡万希さん、それに、バスの三戸大久さんは、現時点でかなりの完成度がある歌い手としてみられると思います。特に、バスの三戸大久(さんのへ ひろひさ)さんがイチオシで、技術的な欠点は何もなく、低音をずっしり伸ばせる良質のバスです。特に、「アッティラ」は良かったですよ。

ひとつ気になったのは、バスにしてはすこし軽すぎ、バリトンにしては、ちょっとばかり重すぎる微妙な声質です。自分のポジションをどこに置くかをしっかり定めて研鑽していけば、必ず良くなると思います。

田中さんは、「ラ・ワリー」のアリアが素敵で、ああ、この作品いいなと思わせた時点で、この人の勝利だったと思います。結果は結果ですが。声量もあり、びしっと決まった声の方向性も良いと思いますが、イタリア語がそんなにわからない私が言うのも何ですが、コンヴァッセーションのストレスやリズムが平板で、日本語的にきこえてしまうのです。

松岡さんは、個性的な歌い手です。ビチビチに固めた声に一瞬引いてしまいましたが、古いものをよく研究しているのかなあという気がしました。今回のソプラノで、ソット・ヴォーチェを歌えるのは彼女だけではないかと思います。声の表現力は誰よりも深く、言語の感覚も優れていると思います。「シチリア島の夕べの祈り」のアリア(ありがとう、愛する友よ)では、ぐっと来てしまいましたし、「アンナ・ボレーナ」のアリアの急速な部分は、自信に満ち溢れていました。

文化庁の在外研修員として渡伊し、2月に帰国して早速となる成果確認でしたが、結果はやや残念なものとなりました。同タイプの金原さんが評価されましたので、すこし割を食った印象があります。私としては、もうすこし自然な発声の部分を聴かせてくれてもいいかなという気がしました。

お馴染みの顔触れでは、谷原めぐみさん。昨年も本選出場で1番枠を引き、入選止まりで、代表して表彰状を受け取る役でしたが、今回も同じパターンでした。ちょっとベテランさんですし、先導馬みたいな役回りになっていますね・・・。まあ、ボチボチ役をもらっているみたいですし、コンクールにこだわることもないのではないでしょうか。昨年聴いたときよりも好調で、持ち前の表現力の鋭さに、技術的な安定感も増している印象です。

今年は、昨年よりもレヴェルが高かったように思います。しかし、そのなかで、すこし華奢なテノールが優勝してしまいましたね。最近のオトコとしては小柄なほうで、五十嵐委員長も仰るように、声楽家としての身体がまだ出来ていません。いろんなタイプがいたので、上位が潰しあっているうちに、唯一のテノールが順当に票を伸ばしたというところだと思います。

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