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2009年11月10日 (火)

浜松国際ピアノコンクール 第1次予選 (第3日) 11/10

浜松国際ピアノコンクールも、第1次予選中日の3日目を迎えた。2日目は注目のコンテスタントが次々に登場したが、3日目はやや控えめの顔触れが並んだ。4番目に今年のダブリン国際でゴルラッチの2位につけた、韓国のパク・ジョンヘが出てくるほかは、さほどの実績をもったコンテスタントがいない。ようやく終わりのほうになって、今年の浜アカのコンペティションで優勝したチョ・ソンジンが出てくるという顔触れである、それだけに、新しい才能を探す喜びも増えるというものだ。

最初の3人がどうにもな感じだったこともあり、4番目に登場した注目の【パク・ジョンヘ】は、モノがちがうという印象だ。初日に登場した同国人、【チョ・ソンス】と比較すると、打鍵の正確さは若干劣るのだが、1拍1拍の丁寧さにおいては格段に際立っており、このピアニストの美点をわかりやすく把握できるだろう。それはバッハやモーツァルトにおいて、圧倒的に高貴な響きを実現するのに役立っている。テンポなりにすこし素っ気ないところもあるが、全体のフォルムの美しさは抜きん出ており、今大会、上位進出は間違いないといっても過言ではあるまい。スクリャービンはすこし優しすぎるところがあるが、流れがよく、ナチュラルな起伏が心地よく響く。

その後、しばらく停滞気味だった会場は、グルジアの【アナ・キピアニ】の登場で、すこし雰囲気が変わってきた。スカート丈の短いドレスには驚かされたが、音楽性は真っ当といえる。バッハのプレリュードはしっとりした甘みを感じる演奏だが、フーガは打鍵が粗っぽくなった。ハイドンは思いきった音楽づくりだが、ベースとなる音色は華やかなもの。ショパンの『舟歌』はそうした音色の美しさが効いて、ひときわ優美に歌い上げられていた。ときに15歳という年齢なりの粗さもみられるが、全体的にはより落ち着いた音楽づくり。

夜の部になっても、なかなかこれという人が出ない、重い展開だ。そのなかでは、韓国の【ムーン・ヒョンジ】がマシなパフォーマンスをみせる。華奢な身体にみえるが、肘から先をいっぱいに使ったフォームで、打鍵の粒立ちを得ている。バッハも透き通った響きだが、ハイドンの小気味いい動きが印象的。メトネルは雑で、リズムに対するアクションがやや遅れ気味に聴こえるのもマイナス。

この流れのなかでは、15歳の【チョ・ソンジン】も十分に通用するのではないか。バッハは響きが鋭すぎる感じもあるが、ベートーベンでは艶やかなコートがなされ、クリスタルな響きとなって耳を惹く。体重移動もスムーズで、押し引きのダイナミズムがワイドに感じられるが、強奏部分よりもmp以下の部分にむしろ、彼にとってスイートな響きがあるのを本人が気づいていないのは惜しい。ショパンは切り込んだルバートのデザインだが、左手の保持に気をつければ、より厳かなフォルムがまとまるはずだ。未熟さがはっきり残っているわりに、非常にゆたかな将来性を感じる瑞々しいパフォーマンスだった。

次の【ヴァレリー・ゴルデス】はロシア生まれのイスラエル人で、18歳と将来のある若者だが、自国内では、既にプロ的な活動を展開しているようだ。バッハのフーガに込められた深い祈りの情念は、一体、どこから来るのだろうか。ハイドンは均整のとれた演奏で、はっきりした打鍵で流れるような演奏である。ショパンの演奏も感情過多とならず、すこし辛みのある大人の演奏。全体を通して、すこし和音が濁るのが欠点となる。

非常に勿体ないのは、2番目に登場した韓国の【アン・ジョアン】。ショパンのスケルッツォで、不協和音に導かれて出るアルペッジョの轟然たる弾き方が印象的で、あのフォルムを全体を通して維持できる方法が見つかったら、すごいショパン弾きになることだろう。自分を抑えきれず、先を急いでしまうのがつよい難点である。【チェン・チャン】はバッハとハイドンでの丁寧な音楽づくりがよかっただけに、ショパンでの崩壊と時間超過が惜しまれる。

本日の日本人コンテスタントは、コンクール戦線ではお馴染み、地元・静岡県出身の犬飼新之介のみ。この日のトリをとった彼だが、呼吸が浅く、音楽に膨らみがない。バッハに関しては、清らかな演奏だった。11日にまとめて4人が弾くが、ここまで日本人のコンテスタントは低調な印象である。

この日は少しもどかしい展開に終始したが、前半に登場のパク・ジョンヘが一頭抜きん出ていた。

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