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2009年12月 9日 (水)

事業仕分け、オーケストラにも波紋!

先日、民主党政権による事業仕分けで、日本芸術文化振興会への助成が廃止され、芸術家の学校派遣をおこなっている事業も、国の事業としておこなわないと結論されたことについて批判記事を書きましたが、私の操作ミスで、記事が消えてしまいました。そこでは、要するに、次のようなことが言いたかったのです。

①表看板に書いてあるような新国立劇場や、国立劇場おきなわの運営形態には疑問もある。しかし、中抜きをおこなうことを看板にして、振興会がおこなっていた助成すべてを奪うという決定は許されない。

②現在の事業仕分けには基本的に賛成だが、なかには悪ノリがすぎるものがある。官僚が天下っている団体を潰し中抜きをすることを名目として、その団体がおこなっている助成全体を、それに連なる事業そのものの必要性とは無関係に、根こそぎ奪うという暴挙がおこなわれている。

③我々は、オーケストラ活動や文化事業に関するいろいろな不満もあるとは思うが、そうしたものを超越して、とりあえず、このような暴挙に立ち向かわねばならない。

④芸術家(オーケストラ)の学校派遣については、オーケストラにとって、地域コミュニティとの連携、将来の客層の開拓と二重の意味をもち、オーケストラの活動が地域社会づくりに有効であることは、ベネズエラの「エル・システマ」などを見ても明らか。日本はいま、そのような地域問題がひどくなってきているので、むしろ、オーケストラの重要性は増している。

以上です。今回は、具体的にどのような影響が出るのか、新聞記事などから情報を拾ってみたので紹介したいと思います。

例えば、群馬交響楽団は「同法人(引用者註:日本芸術文化振興会)を通じて例年1億円程度の補助金を受けており、来年度の補助金も申請しているが、文化庁からは『まだ財務省との協議でどうなるかわからない』と言われている」(読売新聞)そうです。また、学校での移動教室に関しては、「中止でこれらの収入が無くなることに加え、指揮者やソリスト、会場のキャンセル料がかかることから、損失は12公演で計3000万円に上る見込み」(同新聞)ということです。同団の昨年度の収支は様々な助成を含めて550万円の黒字だったそうですから、この特別損失を加えると、逆に2500万円程度の大幅な赤字を計上することになり、ダイレクトに存続が危ぶまれる事態となります。

札響のある奏者は、「全廃となると、札響も年間10憶の総事業費の内、1割~2割を失うことになります。極めて深刻な事態に直面します」と訴えています。具体的な数字は挙げていないものの、山形交響楽団、東京交響楽団のポストにあり、ヴュルテンブルク・フィルではより深いマネージメントにもかかわっていたと思われる、指揮者の飯森範親氏は、「国からの支援が全てのオーケストラにおいて全額カットされる可能性が・・・」「少なくとも、もし国からの支援が打ち切られましたら、山形交響楽団も東京交響楽団も、そして多くのオーケストラが確実につぶれます」と強調されております。

関西フィルのポストにある藤岡幸夫氏はテレビ出演した上で、そのやりとりをまとめられています。そのなかで、具体的な数字として、「だいたい国からの助成金はおよそ5000万円。それ以外に国の事業として“子供のための事業”という素晴らしい事業があるんですけれどもそのコンサートの受注額が2000~2500万円です」と仰っています。これらがなくなると、7000万円以上の収入が即座に奪われるわけで、これは昨年度のオーケストラの総収入4.9億円のうち、1/7を占める数字となります。

なお、そこでは、彼の所管するオーケストラ団員の平均的な所得は300万円をすこし超える程度と示されており、高度な鍛錬を積んだ演奏家でありながら、我々のイメージほどは、高額な報酬を受けていないことがわかります。否、むしろ、非常に低い所得であると感じられる方のほうが多いはずです。

藤岡氏も仰るように、日本の文化予算は総予算の僅かに0.013%にすぎません。これを身近な例で考えてみますと、手取り20万円のご家庭における0.013%は、たったの26円です。それを切って、なにをしようというのでしょうか。お隣の韓国では0.1%が費やされており、比率でみると、日本の7倍以上になりますし、欧米諸国、例えば、個人寄付が支柱となっている米国でさえ、もっと比率は高いのです。

確かに、この事業によって、日本の発展につながるということはないでしょう。しかし、文化は民族の誇りであり、こころをつくるものではないでしょうか。手取り20万円のうちの26円の出費を惜しんで、こころのさもしい国民となるか、それを防ぐかという佳境に来ていると思います。指揮者の尾高忠明氏は、「見よう見まねから始まってようやく今のレベルまできた日本のクラシック音楽だが、予算が削られてはすべて水の泡になってしまう」とされております。正しく、そういう決定が行われようとしているのです。

実は、これはあまり言いたくないのですが、音楽家にも、ホームページやブログを構えている人が結構いますが、意外に、この問題を訴えている人は少ないのです。オーケストラでも、飯森・藤岡両氏がいる山響や関西フィル、演奏会でもアピールがあったというアンサンブル金沢、広島交響楽団、京フィルぐらいです。

確かに、あまり政治色はつけたくないだろうし、上に挙げた札響の奏者さんでさえ、ブログのような私的表現空間でこの問題について強く訴えたところ、そのこと自体についてお叱りを受ける反応もあったそうだから、なかなかやりにくい面もあると思います。だからこそ、こうして我々がサポートすることも必要なのかもしれません。

最後に、この問題に関する動きを教え、具体的な行動を呼びかけているページをご紹介します。

日本ーケストラ連盟内:
http://www.orchestra.or.jp/news.cgi?oid=ajso&date=2009/12/03&subid=2

アンサンブル金沢内:
http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/news/2009/11/post_187.html

アンサンブル金沢のファンページ内:
http://oekfan.air-nifty.com/news/2009/11/post-cb3a.html

札響のチェロ奏者のページ内:
http://blog.livedoor.jp/arakihitoshi/

指揮者・藤岡幸夫氏のメッセージ:
http://www.fujioka-sachio-fan.com/fromsachio/fromsachio.htm

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