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2009年9月6日 - 2009年9月12日

2009年9月 8日 (火)

フランチェスコ・メーリ テノール・リサイタル @東京オペラシティ 9/7

この日は、テノールのフランチェコ・メーリのリサイタルを聴いてきましたが、最初の曲目で彼の発する第一声に接して、私は2つのことを感じました。1つは、このホールはベルカントのしっかりした歌い手にはアコースティックな面で悪さをするということ。もうひとつは、そうした条件はとはともかくとして、すごく高いところから音が聴こえるということでした。それは多分、あの高いところに張られた音響版の作用なのでしょうが、ここまで素直に、その効果を活用できる歌い手はなかなかいないと思うのです。つまり、よほど理想的な歌い方をしなければ、そういうことにはならないということ・・・。

ホールはホールとして、メーリの歌を聴けるという喜びに、私は早くもこころを温かくしたのです。

メーリは昨年、ロッシーニ・オペラフェスティヴァルの来日公演『マオメットⅡ世』で、ヒロインの父親、パパ・エリッソを演じて大喝采を浴びました。しかし、娘を置き去りにしても、異民族の権力者に最後まで歯向かうエリッソ役はとてもタフなキャラクターで、猛々しい表現ばかりが目立つために、メーリの才能には、かえって半信半疑なイメージを抱いてしまいました。尋常ではない強靭なスピントの持ち主であり、歌のフォルムもビシッと決まってはいるものの、表現の繊細さについては未知数だと感じたのです。しかし、この日を公演を聴いて、私は自らの頑迷さを恥ずべきと感じました。

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山下牧子 リサイタル 東京音楽コンクール入賞者リサイタル 9/5

東京音楽コンクール入賞者リサイタルとして、東京文化会館で、山下牧子が歌ったコンサートを聴いた。この演奏会についてはプレヴュー記事を書いたが、二期会HPに書いてある内容は全部やらないで、一部、表記にない曲目も入っていた。まあ、それはそれとして、かなり上質のコンサートで大満足を味わった。

【古典イタリア歌曲】は、5曲を歌った。A.スカルラッティ『貴女は知っている』では、ベルカント的な唱法(・・・的というのは、歴史的にはベルカントの成立はより新しい時代だから)の根底にある、声の強さをしっかりと印象づけていたが、同じ作曲家でも、『すみれ』はよりレッジェーロな(軽い)声のフォルムをつくって、歌い分けていた。この曲ではピアノの対位法的な伴奏が、巧みに歌の骨組みに使われていることを踏まえ、ピアノと歌手の共同作業がモノをいったようである。

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2009年9月 6日 (日)

ナイマン 妻を帽子と間違えた男 + ヒンデミット 往きと復り 東京室内歌劇場 9/5 ③

【往きと復り】

ナイマンについては、もうすこし述べるべきこともありそうだが、いちばん大事なことは論じたつもりなので、あとは割愛して、ヒンデミットに移る。

この作品、今回は『往きと復り』と題して、イキトカエリと読ませている。カバレット・レヴューという社会風刺的な舞台中の寸劇としてつくられた作品ということから、我々の文化では狂言がそれにちかいものに当たるであろう。12分あまりの小さなオペラで、夫が妻の不倫に気づき、相手を銃殺して自分も死ぬが、真ん中に賢人というのが出てきて、このストーリーを巻き戻し、音楽だけは最初から繰り返すとおかしな話になるのを楽しむという次第である。

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ナイマン 妻を帽子と間違えた男 + ヒンデミット 往きと復り 東京室内歌劇場 9/5 ②

【リアリティの問題】

作品のもつテーマは、確かに興味ぶかい。しかし、直ちに新しい疑問が湧いてくる。

もしもドイツ人だったら、きっとこのように言うだろう。繰り返しばかりのミニマルなんぞ、どこも新しくないし下らない。ナイマンは、音楽家ではなく新聞記者になりたいのか。そのために音楽を、しかも、ミニマルというわかりやすい音楽を利用するのか。この質問はナイマンにとって、当然、予想できた批判である。私はいま、ナイマンがその反問に対して、いかに答えたかについて音楽的に述べることは趣味でないと思う。だから、そのことはしばらく脇に置いて、私なりに新しい問題を立てたいと思う。

それは、ナイマンの作品にリアリティがあるかどうかということだ。私はこのオペラをみていて、先日拝見した『路上のソリスト』という映画を思い出した。TBに過去の記事をつけるが、それはジュリアード音楽院の学生だったチェリストが精神に異常を来たし、路上生活者として暮らしているのに出会った新聞記者が、初めは記事のネタとして考えていた男と、徐々に対等なコミュニケーションを獲得していくまでの物語だ。「異常者」という認識から、徐々に共感が膨らんでいき、その人間的尊厳を認めていくという流れが、ほとんど同じだ。

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ナイマン 妻を帽子と間違えた男 + ヒンデミット 往きと復り 東京室内歌劇場 9/5 ①

東京室内歌劇場は、非常に珍しいオペラの演目を取り上げているが、今回は、来年のメモリアル・イヤーに予定されている、シューマン唯一の歌劇『ゲノフェーファ』の上演に向けて、この作曲家と関係する作品を取り上げたということだ。

順番を入れ替えて、まずはナイマン『妻を帽子と間違えた男』から行きたい。珍奇なタイトルがついているが、これはその通りの意味だった。男(P教授)はかつての大歌手であるが、知覚生涯(アルツハイマー)を発し、右側だけは見えるが左側は見えないという障害のほか、事物、人間の認識にも破綻を来している。その男が夫人に連れられて、神経科医のS博士に診てもらうところから始まる・・・以下、作品を観たことがない人も多いだろうが、筋書きは思いきって割愛してしまうつもりなので、悪しからずご寛恕ねがいたい(どうせ、筋書き的なものが入ってくるはずだ)。そこで、早速、感想から入ろう。

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