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2010年5月23日 (日)

仙台国際音楽コンクール 開幕直前特集 Ⅰ ヴァイオリン部門は22日から開幕

仙台国際コンクールは、22日からヴァイオリン部門で開幕する。この部門では、第1回のスヴェトリン・ルセヴがフランス放送フィルのコンマス、さらにパリ・コンセルヴァトワール教授となったのを筆頭に、松山冴花、アリョーナ・バーエワとハイ・レヴェルな優勝者を輩出してきたので注目される。

このコンクールの特徴は(第1次)予選から協奏曲が課題となっており、即戦力にちかい素材が発掘できることに特徴がある。従来、予選のみは弦楽四重奏での選考になっていたが、今回からは、予選においても小規模ながらオーケストラがつくことになり、その特徴をさらに突き詰めることになった。

ヴァイオリン部門の審査委員は、宗倫匡を委員長、岡山潔、トーマス・ブランディスを副委員長に、元フェルメールQのシュミエル・アシュケナージ、ラヴェルSQで第1ヴァイオリンを弾き、パリ管のコンマスも務めたローラン・ドガレイユ、ロシアの名教師で、いまはウィーンで教鞭をとるパヴェル・ヴェルニコフなどの11名となっている。

【コンテスタント】

コンテスタントは、予備審査と、世界6都市でのオーディションを経て、40名の参加が認められた。このうち5名がキャンセルして、22日からの予選にエントリーしたのは35名。このうち14名が日本勢で、4割を占める。ギリシャから参加する乾ノエを加えると、さらに比率は高まる。最近の日本でのコンペティションに共通する(日本に限るまい)特徴だが、アジア勢とロシア勢のエントリーが非常に多くなっている。このうち韓国勢が日本勢に次ぐ第2勢力で、6名を送り込んだ。これに外国在住の韓国系コンテスタントを含めるとさらに2名が加わり、全体の2割以上を占めることになる。その他のアジア勢は、中国と台湾から1人ずつ。総勢25名で、7割強がアジア勢という計算になる。

これに対して、欧米勢は、ほぼ9割方がロシアとアメリカからのコンテスタントだけで占められている。それ以外では、スイス在住のポーランド系が1名、フランスが1名を送り込むのみだ。前回出場のアンドレイ・バラーノフを含むロシア勢は、彼を含めて4名のエントリー。一方、米国も4名と、同数のコンテスタントを送り込んだ。参加の国と地域は日本を含めて8つのみとなり、「国際」コンクールとしてはやや寂しい国籍構成となった。

【再エントリーのファイナリスト】

前回大会の入賞者で、再エントリーしたのは2名である。1名は既に名前が出たが、前回大会で4位となり、個性的な演奏スタイルが話題になったアンドレイ・バラーノフ(ロシア)である。その後、2008年にベンジャミン・ブリテン国際で優勝し、前回大会のレヴェルの高さを証明した1人である。

もう1人は、長尾春花。前回は最年少のファイナリストとして、第5位入賞を果たした。その才能の片鱗は、日本音楽コンクールで優勝し、全部門を通して最優秀のコンテスタントに与えられる増沢賞を授けられたことでも印象づけられた。2008年、ロン・ティボー国際でもファイナリストとなり、第5位に入賞していることから、今回の大会でも期待が集まる1人である。現在は、東京藝大に進んでいる。桐朋のエースが南紫音ならば、東京藝大のエースはこの長尾であるといえようか。

【日本勢】

今回のコンテスタントは、世界のコンペティションを頻りに転戦するような猛者の参加は少ない。その代わり、既にプロとしての活動が始まりつつあり、オーケストラや室内楽でも活躍しているという素材が多いようだ。特に、日本勢に、その傾向が強い。

例えば、3日目に登場の粟野祐美子は、ピエール・アモイヤールの優秀な弟子たちによって構成されるカメラータ・ド・ローザンヌのメンバー。ブルーノ・パスキエに室内楽の指導も受け、ヴィオラもこなす。RES MUSICAというレーベルから録音もあるという。コンペティションでの活躍はいまひとつだが、既に高い経験値をもち、安定感のある音楽性が期待される。青谷友香里も、師のベンヤミン・シュミットの伝手か、カメラータ・ザルツブルクに参加。ジャズ系を含む様々なフォームでの活躍を志す現代型のエリート。

福田悠一郎、会田莉凡は、昨年のカザルス・コンクールで活躍したチェロの上村文乃とともに、アミティエQを組むメンバー。仲良く3日目の1番、2番で登場する。この2人の19歳が、予選出場の最年少となる。会田は、亡くなった著名なインディペンデント系音楽プロデューサーの令嬢だということだ。上敷領藍子は、女性ばかりによって構成されたステラQのメンバー。

東京のオペラの森や、小澤塾といったオーケストラの経験者もいる。NOMORIのオケに参加の岩田ななえは、ジュリアードのなかでもエリートコースを歩むホープ。カーネギーホールでリサイタル。再演も決まっているというから、コンペティションでもエンジンのちがいを見せてくれるかもしれない。飯村真理も、NOMORIや小澤塾のアンサンブルに参加しており、『セヴィリャの理髪師』の公演ではコンマスを務めたとある。現在は、フライブルクでライナー・クスマウルに教えを受けている。

永井公美子は現在、ハノーファーで、サルバトーレ・アッカルド、クリストフ・ヴェグジンという最高級の指導者に手ほどきを受けている期待の逸材。この人も、小澤塾での経験がある。魚水ゆりは、メルクル指揮のPMFでコンマスの要職を果たした。マンハイムの音大に学びながら、エッセン州立劇場の研修生となっているという。この2人は、ヤマハの振興金で海外留学しているという共通点がある。

【外国勢Ⅰ】

トップ・バッターはレジ・パパ、正確にはアレクサンドル・パパスは、ギリシャ系のロシア人か。既にNYなどでキャリアを築いているヴァイオリニスト。韓国のチェ・ガヒョンは、イザベル・ファウスト、ベンヤミン・シュミット、服部譲二、瀬崎明日香などを輩出するレオポルト・モーツァルト国際の、2006年大会で有希・マヌエラ・ヤンケとともに第2位となっている。ジェイソン・イサクソンは既に多くの楽団と共演歴があり、トリオでの活躍もある。ユーチューブに音源があるが、これを聴くかぎりはもうひとつの印象。しかし、もっている楽器は、1679年製のグァルネリ・デル・マントゥア。

ヤン・ユンジョンは、韓国で新進の音楽家として活動。音楽をやる前は、100m走の選手だったとか、サッカーやアーチェリーをやっていたなどということが書いてある。マルヴィナ・ソフノフスキは、スイスやドイツで活躍するヴァイオリニスト。ソロ活動以外に室内楽に熱心で、カーティス音楽院の仲間と結成したデュオやクァルテットでの活動にも力を入れる。AMOSレーベルから録音も出ているという。HPの音源を聴くと、やや表現の骨格が細いが、響きは柔らかく、艶やかである。愛器は、ロレンツォ・ストリオーニ。

フランスを中心に、イタリア、オーストリア、北アフリカで活躍するエレノア・ダルモンは、キャリアでは出場者のなかでもトップ・クラス。共演者のリストにも、フランス・ヘルメルソンなど著名な大家の名前が並ぶ。HPで聴いたラヴェル『ツィガーヌ』の演奏は、ややおっとりしているが、濃厚なロマン性を漂わせ、フランス人らしく響きがゆたかである。

ここまでが、1日目に登場するコンテスタントだ。

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