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2010年10月 5日 (火)

大阪センチュリー響、今後6年間は存続が可能に 日本センチュリー交響楽団への改称も発表

大阪府からの補助金が来年からゼロになる大阪センチュリー交響楽団は、民営化に向けてスポンサー探しに邁進中という記事は以前に紹介した。スポンサー探しは僅かな成果を除けば、いまのところ、ほとんど成果を挙げていない。9月には、コントラバスの首席奏者が、趣味の自転車事故で死亡するという悲劇も待っていた。

大阪府は先日、楽団の基本財産となっている20億円を府庫へ返納することは求めず、来季からの運営資金として使うことを認めた。また、センチュリー響は公益団体法人化が認められたことを、知事に報告。税制上の優遇を受けながら、今後、少なくとも6年間は存続が可能となった。センチュリー響は府立のくびきを外れたため、今後はより広い地域での活動をめざすとしている。そのため、楽団の名称を「日本センチュリー交響楽団」に改めるという。

決着は、微温的なものとなった。最悪のシナリオは補助金をカットし、基本財産の府庫返納を求め、解散させるというものだった。私はこのような結論が近づいているものと危惧していたが、橋下知事の姿勢が軟化したことになる。20億円は大阪府にとって回収不能な投資となった(解散の際には残金を返納の予定)が、府財政のプライマリー・バランスからみれば、ここからセンチュリー響が外れることのほうが意義深いことと判断されたのだろうか。橋下知事個人としてみれば、厄介な問題をひとつ片付けて、楽団をひとつ潰したオトコとしては見られずに済むというメリットもある。

さて、センチュリー響は今後、このカンフル剤がつづいているうちに、新しいアイデンティティを定め、自立できるベースを整えなければならなくなる。年間3億円が必要としていたことから単純計算すれば、この基本財産は6年間で底をつくだろう。楽団は今後、現在の55人編成の体制から76人編成をめざすとしており、その分、仕事を増やすことで事業収入を増やすという腹づもりと思われる。県下には多くの楽団がひしめいていることから、近畿圏を中心に、活動地域を広げることで新しい存在意義を見出し、アピールすることで、スポンサー獲得につなげたい構えが明確である。それが、どこまで現実のものとなるのか?

今回の決着が、今後のオーケストラ事情にとって、一体、どのような風波を立てるのかは分からない。一応、当面の存続が決まったことで、これ以上、大きな話題になることもなさそうだ。しかし、危機はなにひとつ去ったわけではないのだ。センチュリー響はこのままいけば、6年後のいまごろは、解散の危機に直面しているはずだろう。喫緊の危機がなくなったことで、センチュリー響への世間の関心(同情)は薄れていくかもしれない。そのなかで、センチュリー響はどのようにして、自分たちの価値を高めていくのだろう?

その一環となる来季のプログラムが、発表されている。通常、楽団の柱となる定期演奏会よりも、特別演奏会が多いのが特徴だ。演奏会場は、本拠のザ・シンフォニーホールを飛び出して、NHK大阪ホールのほか、滋賀(びわ湖)、福井、京都、三重に張り出しているのが、上記のような発表に沿っている。沼尻竜典をポストにつけたこともあり、びわ湖ホールでの演奏が増えたことも特徴として挙げられるだろう。これまで、特別演奏会は4−5くらいであったので、ほぼ倍増している。事務局の努力は、一定の評価に値する。

内容は、これら特別演奏会を概ね名曲演奏会に仕立て、定期では、小泉和裕らしい凝った路線が維持されている。有名曲と、現代曲を含む多彩な曲目を組み合わせて、起伏に富んだ構成になっている。目玉は、4月定期の小泉指揮によるリスト『ファウスト交響曲』と、12月定期の沼尻指揮によるショスタコーヴィチ『交響曲第6番』といったところになる。ほかに、オネゲルの交響曲第3番「典礼風」、ルトスワフスキのオケコンなどが珍しい。

経営基盤が薄いにもかかわらず、大きな額の基本財産を柱に活動をつづけていくということで、かなり不健全な経営環境がつづく。以前から給与カットなどの努力はつづけていたとはいえ、存続に向けての努力は、本当に目に見えるものであったとは言いがたい。そのなかで、府の温情で生きながらえたことになる。大阪府民からは、基本財産を切り崩すことに対する批判もあるだろう。そのなかで適度な危機意識をもち、近畿圏の文化を支える担い手として存在感を示すことができるのか、センチュリー響の挑戦・・・そして危機はつづく。

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