飯守泰次郎 バルトーク 青ひげ公の城 東京シティフィル 237th定期 3/18
【ポエム】
血塗られている
拷問台や戦場に流れた血は
いまや 我々の富 花・・・それは愛
そして 土にまで
沁みこんだ
われらの血の代価を
どこかで 受け取るものがいる
だが そのことは問うまい
朝も 昼も 夕暮れも
そして いまや夜さえも
奪われたのだ
だが そのことも問うまい
生きてこそ 今日もまた夜がやってくる
なにも問うな さらば 苦しむこともない
血塗られた夜の ものすごい 闇
そこで見つけた 遠い夜の記憶
声もなき 夜明けの予感
【青ひげ=フライング・ダッチマン】
オーケストラがつづくので、この公演をみるかどうかは迷った。しかし、バルトークの歌劇『青ひげ公の城』は、どうしても観ておきたい作品のひとつだった。実のところ、これが初めての体験となる。私はこういう場合、言うところの「予習」という作業をあまりやらない。そうすれば、この作品があまねく世に知れ渡った作品であるとしても、少なくとも自分自身のなかでは、作品が初めて観られたときの新鮮さを味わえるからだ。今回の場合、その新鮮さは大いなる苦味を伴い、文字どおり号泣させられた。
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