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2010年11月28日 - 2010年12月4日

2010年12月 2日 (木)

フィビヒ ピアノ五重奏曲 (1894年)

 参考録音:アンサンブル・アヒト(Thorofon)

ズネニェク・フィビヒはドヴォルザークよりも10年弱、遅れて生まれてきたものの、ほぼ同時代人と考えて間違いではないだろう。そして、多分、この世代におけるチェコの作曲家のなかで、もっとも模範的な作曲家と目されたにちがいない。ただし、彼はプラハ音楽院などの教育機関で教授職などに就いたことはなく、ドヴォルザークを激しく攻撃した評論家のズデニェク・ネイェドリー、作曲家にして指揮者でもあったオタカル・オストルチルなどの弟子もあったとはいえ、これは個人的な私淑によるものであったようである。

さて、そんなフィビヒを「もっとも模範的」と評するのは、彼の作風が国民楽派的なそれよりも、ドイツやフランスの伝統を引きながら、ちょっとばかりはスラヴ風という「正統的」なラインにちかいと思ったからである。伝統芸術の継承には、前時代のものをちょっとずつ変えていく慎重なものと、圧倒的に斬新で革命的なものと、両方が必要であると思う。我々はしばしば後者のものばかりに目を奪われるが、自分たちの守ってきた流れを堅持して、あとの世代にバトン・タッチしようとするコツコツした仕事も、「保守的」の一言で評価されるべきではないのではないか。

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2010年12月 1日 (水)

神田慶一&青いサカナ団 歌劇『あさくさ天使』を改訂再演

神田慶一の作曲による歌劇『あさくさ天使』は、江戸開府400年を記念した事業の一環として、東京都から委嘱され、上演の舞台、東京文化会館のある台東区民を含む大規模な合唱団、オーケストラ、ソリストをあわせて200人以上が出演し、大劇場を舞台に3時間半ほどもかかる大作となったという。残念ながら、私が見逃している作品のひとつであるが、評判はすこぶるいいし、その後、「日本オペラ絵巻」や青いサカナ団のアニヴァーサリー・ガラで繰り返し取り上げられた最後の場面は、神田の敬愛するであろうプッチーニにも匹敵するリリックさと、底なしの優しさ、そして、若干のほろ苦さ(諧謔性)を伴って魅力的だった。

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2010年11月28日 (日)

日本のオーケストラの2011ー2012シーズン 展望(4月期初グループを中心に) ②

さて、前回の記事に引きつづき、4月期初で来季シーズンがオープンした3つの楽団を、個別に検討していくことにする。

【東響】

東響はここのところ、ハイドン、シューベルト、シューマン、アフター・シューマンと年間テーマを継いできたが、来季はついにシェーンベルクに辿り着く。シェーンベルクの作品はとても美しい作品が多いのだが、イメージ的には12音の難解な作曲家ということになっていて人気がないため、これには楽団内で相当に慎重な意見があったはずだが、押しきられてしまったのであろう。2006年には『グレの歌』を上演しているし、ヤナーチェク・シリーズもつづけてきた東響のことだから、実際はもうすこし積極的だったかもしれないが。

いま書いたように、『グレの歌』はやったばかりなので、目玉としては、歌劇『期待』と、交響詩『ペレアスとメリザンド』、それに『浄められた夜』が置かれている。そのほか、楽団正指揮者の大友直人や客演のジョナサン・ノット(アンサンブル・アンテルコンタンポランを率いた経験もある)、それにノイホルトが協力して室内交響曲2曲、さらにピアノ協奏曲(独奏:小菅優)、ブラームスのピアノ四重奏曲の編曲版、バッハの『前奏曲とフーガ』(BWV552)の編曲版が取り上げられる。

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日本のオーケストラの2011ー2012シーズン 展望(4月期初グループを中心に) ①

日本のオーケストラのなかにも、欧米と同じく9月を楽季の初めとする団体が出てきたが(新日本フィル、N響、日フィル)、日本的慣行にしたがって4月を季初とする団体もまだまだ多い。各楽団とも厳しい競争時代のなかで、会員獲得競争の都合もあって来季プログラムの発表には最適のタイミングを見計らっているが、在京オーケストラに関していえば、東京フィルを除くほとんどの楽団の新しいシーズンの見通しが開いてきた。東響、都響、読響を中心に、来シーズンの見どころなどを整理しておきたい。

【厳しい経済状況のなかで】

近年、民間企業からの支援金(スポンサーシップ)の減少や、国や地方自治体の支出削減に伴う収入減少が厳しくなるなか、各楽団ともジャブジャブな運営を維持することはできず、なんとか自分たちらしさを守りながら、工夫した運営がおこなわれている。全体的な傾向として、あっと驚くようなソリストの招聘はあまりなく、その分、引き締まったプログラミングで筋を通すことを重視しているようだ。年間テーマを設定するなどして、一定の評価を得た新日本フィルの手法を真似るわけでもないが、主張の見えやすいプログラミングが浸透してきたのは、良いことだと思う。

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スダーン ブルックナー 交響曲第8番 東響 サントリー定期 11/27

私の自宅にある小さなCDラックには、2005年に同じコンビで演奏したブルックナーの交響曲第8番の録音がある。当時、中興の祖である秋山和慶前音楽監督による体制を終了し、スダーン体制に変わってからまだ2年目の東京交響楽団の演奏だ。第3楽章の最後で、ホルンが最後の音をしっかり保持して、悠然と消えていくのを見送って、スダーンがチャーミングに投げキッスを贈った瞬間は、昨日のように思い出せる。

・・・しかしながら、演奏をつぶさにみれば大満足な演奏とはいえず、前途多難な印象は残った。あれから5年、東響の成長は世界中のオーケストラのなかでも、もっとも目覚ましいもののひとつに入るのではなかろうか。2010年11月27日の演奏は、あの日の堂々たる挑戦がまるで子どものときの出来事だったと思えるほどに、自信に満ちたものだった。80分がこれほど濃密にすぎ、ブルックナーの大曲で少しも退屈する時間がなかったこともない。この限られた時間のなかで、何度、涙がこみ上げてきたことだろう!

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