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2011年3月11日 (金)

3/11 宮城・茨城県沖地震に寄せて オーケストラ・劇場の対応もまちまち

3月11日、15時前に宮城県沖、さらに数十分後には茨城県沖を震源に、大きな地震が発生した。地震の規模を示すマグニチュードは8.8と、観測史上もっとも大きいレヴェルで、現在も大津波警報などが解除されていない。余震もつづいており、被害の全貌はわかっていないが、既に老人向け施設の倒壊など死者の出たことも報じられ、海辺の地方では甚大な被害も予想される。震度5強を記録した東京でさえ、千代田区の九段会館でホールの天井が崩壊して多くの負傷者を出しており、千葉県のコンビナートでも大きな火災が発生するなど、混乱は広がっている。

現在、東京都内でも交通機関のほとんどが運行を見合わせており、混乱は深まるものと予想される。現在も、JR、私鉄、地下鉄などは、軒並み運行していない。バスは一部、動いている路線もあるようだが、ここで書いたところで、誰かの参考になるとも思えない。

まずは被害に遭われ、今後、苦労なさるであろうすべての方にお見舞いを申し上げる。広い地域に被害が及んだが、ダイレクトに大規模な被害が発生する都市直下型でなかったことだけが、不幸中の幸いであった。

私はたまたま非番の日で家にいたが、歯医者の予約も、日フィルのコンサートも、15時以降の予定はすべてキャンセルとならざるを得なかった。ついでにいえば、音楽関係のイベントにも大きな影響が生じている。ウィーク・エンドの11日、公演を予定していた在京オーケストラは4つ。対応も、まちまちだ。市川での請負公演を予定していたた東京フィルと、東京オペラシティでの公演を予定していた東響の公演はいずれも中止となった。前者は地元の芸術文化振興財団が主催のため、チケットなどの対応はまだ発表されていない。東響は、払い戻しに応じるとしている。

一方、公演を強行するのは日フィルと新日本フィル(NJP)だ。いずれも、ラザレフとハーディングを立てての注目公演であり、ホールの安全性さえ確認できれば、どうしても開催したかったのであろう。チケットの扱いには差があり、日フィルは翌日公演への振り替えにできる限り応じるとしているが、払い戻し等に応じるかは不明である。私は当日清算の予定だったが、どうするべきなのだろうか。一方、NJPは払い戻しに応じるとしている。

横浜では、佐渡裕率いるBBCフィルの公演が予定されていたが、これも中止が発表されていた。チケットの扱いについて、主催のチケット・スペースからのコメントはまだ出ていない。

函館で特別公演をおこなう予定だった都響は、主催の地元財団が公演の中止を決定し、チケットの払い戻しを公演会場のみで受け付ける。山響も鶴岡で演奏会を予定していて、今までのところ情報がないが、これは日本海側にちかい地域だけに、どうなったのかわからない。

いちばん高飛車なのは新国立劇場の対応で、11日は研修所の成果発表となるオペラ公演が予定されていたが、これは中止が発表された。しかも、「天変地異のため」という理由をつけて、払い戻しには応じないと来ている。この劇場の対応は摩訶不思議で、同じ研修所のオペラ公演でも、既に中止が発表された翌12日の分については払い戻しをおこなうという。また、11日の主催公演でもコンテンポラリー・ダンス部門の公演については払い戻しをおこなうということになっている。これはいくら天変地異だとかいっても、著しく公平性を欠くと思うが、やはり、こういう劇場に対しては足が遠のいてしまうだろう。

一方、熊川哲也のK-Balletカンパニーは、メンデルスゾーンとピーター・ラビットによる公演を予定していたが、11日の公演を中心して13日に順延。そこで来られない観客には、次の公演への振り替え、もしくは払い戻しを認めるようである。

大災害のときではあるが、こういう対応のちがいを見ていると、各団体の良心やお客に対する思いやりが見えてきて興味ぶかい。自分たちに非のないことで損失を出したくない新国の対応は普通のものだが、実際にはマイノリティだ。なるほど、悪名高き「事業仕分け」にも正しい部分はあったわけである。こんな団体が、文化云々などという主張をすることは笑い種だろう。

しかし、ニュースをみていて驚いてしまうのは、こうなるだろうとわかっているのに、地震や津波に対する対策が甘いことである。例えば、天井の崩落した九段会館は、震源からは遠く、震度も5強での被害だけに、耐震対策がきちんとなされていたのかが疑問を生じさせる。また、同じく震源から遠い千葉県のコンビナートについては、政府に対して、専門家らから老朽化対策の必要性が指摘されていたとの報道もあり、自民党・民主党による歴代政府の対応の遅れが問題化する可能性もある。

地震と音楽について思い出すのは、2004年の新潟県中越地震の日のことだ。その日、私は築地の浜離宮朝日ホールで、小川典子と田部京子によるピアノのでデュオ・リサイタルを聴いていた。素晴らしいリサイタルだった。たしかラヴェルの甘ったるい作品を聴いているときに、地震が起こった。かなり大きな揺れではあったが、2人のピアニストは動揺することなく弾ききったものだ。私はタイタニックのことを思い出し、沈没船のなかで音楽を聴いているような異様なエクスタシーを覚えた。実際、そのまま死んでも幸せじゃないかという気分だった。

しかし、家に帰ってから実際の甚大な被害について知り、私は自分の考えを反省しなければならなかった。

この前まではニュージーランドの問題だったことが、それとは直接、関係しているかはわからないものの、同じような原因で日本に被害をもたらすことになった。やはり、地球はつながっている。大陸/海洋プレートだけではなく、人間もそうなんだということをつよく肝に銘じたいものだ。そういう意味では、リビアで抑圧される人たちのことだって無関係ではない!

上に書いた諸々の公演のことや、ラ・フォル・ジュルネ前売り開始、そして、石原都知事の4選出馬表明などが、どうでもよくなってしまう悲惨な週末となった。

【こんな日にかける音楽】

 グリーグ オーゼの死~音楽劇『ペール・ギュント』

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