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2011年3月30日 (水)

原発事故に対する我々の責任 ~ともにある、ということ

現在、日夜、厳しい闘いがつづく原発の問題について、ひとりの中学生のブログが話題になっています。藤波心といって、モデルというかアイドルとかいうか、ティーン・ネイジで活躍する方だそうですが、しかし、一般的にはどこの馬の骨ともわからない少女というレヴェルでしょう。実際、私も聞いたことがない名前です。それがこのように有名になったのだから、彼女の発言も売名行為としては成功したといえます。しかし、その内容はかなり幼稚な部類に入りますし、有害な部分もあります。

例えば、野菜などから微量の放射性物質が検出されていることについて、いくら微量でも、蓄積されれば有害に決まっていると仰っています。しかし、これは明らかな間違いでしょう。放射性物質には反応が終わって崩壊が進み、別の安定した物質に変化する半減期が決まっていることは高校の物理の時間に習います。また、いちど取り込まれても糞尿によって排出されるという事実も無視しているようです。野菜から検出されたヨウ素131の半減期はわずか8日程度であり、一挙に大量摂取しない限り、体内の有害物質として蓄積されることはあり得ません。半減期の長いセシウムの放射性同位体の検出も確認されましたが、それらは極微量であり、蓄積を心配するレヴェルにはありません。それが有害かもしれないと思われて忌避されるなら、風評被害というのに何の問題もないはずです。

では、それでも「できることならば摂取しないほうがいい」と専門家が必ずつけ足すのはなぜかというと、影響がないという可能性が高いとはいえ、実際に何十年も放射性物質を微量に摂取しつづけた場合のデータは、当然、彼らの手もとにないからです。人体実験をするわけにはいかないのだから、誰もそんなデータはもっていません。だから学者の世界では、どうしてもそうした言い方になるわけです。

この少女は少なくとも、風評被害に苦しむ野菜農家などに対して謝罪すべきだと思いますし、それを怠るのであれば、その発言は信用に値しません。

この女性は、危険なことなのに安全性ばかりが強調されているという印象も述べています。しかしながら、私はそのような認識はもっていません。メディアは政府や電力会社、専門家の発表する数値や基準、見解に照らして、適切な対応を呼びかけているように感じます。仮に彼女の批判を受け容れるとして、では、どのように伝えるのでしょうか。「検出量は極微量ですが、僅かでも危険性がありますので、野菜の摂取には慎重な姿勢が必要です」とでも言うのでしょうか。「現在の数値は微量でも、そもそも放射性物質は怖いものですから、直ちに避難をご検討ください」とでも言うのでしょうか。では、彼女はなぜ、仕事を辞めて危険な首都圏から避難しないのでしょうか?

現在の日本人は、風評被害や買い占めなどの問題はあるにしても、かなり冷静に行動しており、ある程度、正しく情報を管理しているし、適切な方向に動いていると感じています。日本人は、政府の情報コントロールにはまり、まだ安全と思い込んでいるのだという批判は当たりません。多くの日本人は現在の状況の深刻さを理解していますが、それに対して過剰に反応することを賢明にも避けているだけです。ジャーナリストや学者の一部、左翼反核主義者の言動は、目に余るものがあります。彼らが叩かれるのは、当然のことでしょう。この似非ヒューマニストに対しても、私は目くじらを立てるべきだと感じます。

実際、この女性はあらゆる批判に対しても超然としており、自分の主義主張のためには服務違反の情報漏洩も辞さなかった海上保安官や、処罰されても平気な顔で威張っている反捕鯨エコ・テロリストのように開き直っています。

以前にも言いましたが、私は原子力発電所について否定的に考えてきましたし、それにもかかわらず、それに対する態度は不徹底だったと反省しています。現在、事態の深刻さもある程度は把握しているつもりですし、政府や電力会社、原子力安全委などよりも、厳しい態度をとる専門家がいることも承知しています。しかし、それでもなお、私は現時点で政府の発表や指導方針には、一定の信頼を置いています。

そもそも、いまさら、「原発反対!」などと言い出しても遅すぎるのです。

私たちは政府や東電を批判しますが、しかし、政府を選んでいたのは私たちです。原発推進の政府を支持しないという立場を、私たちはとらずに来ましたし、そのことによって、肥大化する電力需要を満たしてきたのも事実です。そして、今回のような事故のリスクを、原発設置地域に押しつけてきました。その結果、いまのようなことが起こっているのだから、いまはもう政府の指導を信用して動くしかないわけですし、そうする責任が私たちにはあります。また、この結果によって、実際に甚大の被害を蒙っている周辺地域のみなさんと、ともにあるべきだと思うのです。そのうえで、私たちが受ける健康被害があるとするならば、それは自業自得というほかはないでしょうが、現時点で、そのリスクは無視できるほどでしかありません。

私たちは自分たちの選択に対して、責任と義務を負っています。

いまさらのように原発反対を唱えても、すべての炉を直ちに閉じるなどということはあり得ません。需要を減らせばいいではないかという意見もありますが、個人生活では多少のやりくりもききますが、鉱工業生産の現場について考えれば、かなりドラスティックな産業構造の変化を伴うのであり、急にエネルギーの切り替えをおこなうことはできません。「やれる」という人は、事態を簡単に考えすぎています。現に、今回の計画停電で、どれだけ酷い被害が出ているか、想像したこともないのでしょう。また、労働慣行などを変えて、社会全体のあり方を変えていくことの困難さを過小評価しています。

代替エネルギーについては、放射能ほどではないにせよ、同じく待ったなしの地球温暖化の問題を考えても、火力発電ばかりを増やすわけにもいかないのは当然です。例えば、ツバルという国は、そのことで国全体が水没してしまうかもしれないのです。ソーラーはコストが高く、電力供給が天気に左右される欠点がありますので、結局、バックアップのためにほかのエネルギーが必要です。その他の水力、地熱、風力、潮力などのエネルギーでは、十分な発電量が得られません。原子力は1基、また1基と、コツコツ減らしていくしかないようです。私たちが何十年の歴史のなかでつくってきた選択を、たったの1、2年で覆すことなどできないのでしょう。

ドイツでは脱原発政策が進んでいるといっても、実際は一進一退で、なかなか原子力というエネルギーから手が抜けない状態であることを見てください。ただし、今般、日本の事故を受けて脱原発に積極的な緑の党が選挙戦で躍進。大連立与党のメルキェル首相は、この問題で追い詰められています。

私はなにも、「一億総懺悔」の必要があり被曝も止むを得ないと言っているわけではありません。我々は自らの選択によって選んだ政府の判断をもっと信頼すべき、そして、ネガティヴな情報にも腹を括って、自らをコントロールすべきだと言っているにすぎません。このようなことを起こした責任は、我々一人ひとりにもあります。そして、起こったことに対しては応分のリスクを負うべきです。専門家が指摘する微小な影響以上の心配をして、他の地域から野菜を買うというようなことは、その点で無責任だと思われます。

ティーン・ネイジの少女に、そのような責任を押しつけるわけにもいきませんし、我々が負うべき責任から逃れて、どこかへ避難して身の安全を図りたいというのであれば、それもいいと思います。しかし、個々人の不安感を越えて、社会全体について警告を発したいのならば、やはり、一定の責任を負うことは不可避ではないでしょうか。節電運動も結構ですが、まずは自らの発言の誤りを糾すことから始めるべきですし、何の影響もない茨城や福島、栃木などの野菜や果物を買うことも義務だと思います。私はそうすることが、今回の一件で既に多くの被害を受け、これからも打撃を受けるであろう人たちと、ともにある、ということだと思います。

私がいちばん言いたいことは、このことです。

津波に負けずに頑張れとか言いながら、日本からはスタスタと逃げていくという、欧米人のような態度で社会を批判するなど、傲慢というべきです。実際に被害に遭われている人たちの立場にはとても立てないけれども、なるべく彼らの立場を理解しようとし、それに対して自分たちがどのように責任をとれるかを考えることが、誠実な態度だと私は信じます。実のところ、俄かに有名となった中学生をダシに使って、そのことを訴えたかったのです。そのために、節電をするのもいいことでしょうが、まずは、ありもしない被害を言い立てて、善良な人々を苦しめることのほうが重い罪だと思い、私はそれに対する多少の行動を考えています。

実際、出荷制限対象外の野菜にも影響が及び、また、同じ県というだけで、何の問題もない作物の出荷までもが難しくなっているという現状もあり、私たちは、この点について態度を早期に改める必要があると思います。

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