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2011年4月15日 (金)

今年度以降、このブログではLFJを推奨しません ~「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」公演中止に寄せて

【フォル・ジュルネを推奨してきた理由】

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンについて、私はその性質を開催初年から強く支持し、推奨してきた。その理由は、この音楽祭を社会的にとらえる人たちが言うようにクラシック受容の裾野が広がるというようなポイントにはない。理由は3つあり、1つは音楽家と聴衆の距離感が近く、通常の演奏会よりも対等性が高まること。②数ある演奏会を組み合わせて楽しみ方を自分で考えることができ、通常の演奏会よりも聴き手の主体性が高まること。③単独では招聘するのが難しい知名度の低いアーティストや若手の音楽家、採算性の確保が難しい中規模のアンサンブルや声楽アンサンブルをまとめて招聘することで、日本にいながらにして、それら最先端のアンサンブルに触れることができること・・・であった。

一方、東京では需要が too large であって、特にチケット販売やサーヴィス面において、きわめて制限が多く、聴き手の側に著しく不利益であること。ホールの音響が悪く、音楽家が能力を発揮しやすい環境ではないこと・・・などの問題点はあったが、一応、それらを少しずつ克服しながら、音楽祭が良くなっていくことに期待して、支持を止めることはなかった。現在、音楽祭は空っぽになる5月連休の東京の風物詩ともなっており、先述の裾野拡大の問題や、単純に楽しめるイベントであること、さらに地方都市への拡大をみて、より大きな希望を抱くに至っていた。

しかし、今回の予定した公演の全面的な中止、内容の変更、そして、払い戻しの連絡メールを見て、私の想いはバイロイトへの期待に裏切られたニーチェの・・・なんていうほどではないとしても、著しく傷つけられた。

【ある程度は予想していた】

これほど残念な報であるにもかかわらず、中止自体は随分と以前から予想しており、それほどの驚きもないうえに、これはどうしても見たいという公演もなかったせいで、さほど残念とも思わなかった。今回、音楽祭のオフィシャル販売元であるチケットぴあでは券面の金額のみを払い戻し、手数料は払い戻さない方針だが、これも同社のあまり倫理的とはいえない体質をよく知るだけに、予想の範囲内ではある。これだから、私はフォル・ジュルネの先行予約以外で、「ぴあ」を使わないようにしているのだ。是非、みなさんもこの会社があまり潤わないように行動していただきたいと思う。千数百円の手数料は、まあ、致し方ないと諦めるしかあるまいが・・・。

【音楽祭の無責任な体質】

では、私の想いを傷つけたものは何だったのかというと、それは音楽祭の無責任な体質なのである。

音楽祭の胴元は、無から有を生み出したルネ・マルタン率いる「ラ・フォル・ジュルネ」運営会社。チケット販売の雑務を大幅に引き受けて手数料で儲けるチケットぴあ。煩雑な業務の多くを「ぴあ」に引き受けさせ、縁の下に入って効率的に儲けることを考えたKAJIMOTO。そして、空っぽのスケジュールを埋めることで、少しでも建物の採算性を上げたい東京都(東京国際フォーラム)の4団体である。これらの団体が『大岡越前』の「三方一両損」ならぬ、「四方一両得」を狙って組み立てたのが、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のシステムだ。上のような理由で、私たちが利益を受けられる間は、さらに一方向に利益をもたらし、音楽祭は辛うじて推奨し得るイベントであったと思う。

しかし、今回の事態で我々=聴衆の利益が剥げ落ちたときに、ほかの団体が「一両損」を共有しているのならば、それはまったくフェアであろう。券面金額以外に、手数料も合わせて払い戻す方針のKAJIMOTOの対応は、まだ「一両損」を地でいっているように思われるが、「ぴあ」をはじめとするほかの主体については、我々と同じような意味で「一両損」の部分があるようには思われず、特に、「ぴあ」は開催するかどうかにかかわらず、既に十分な利益まで得ているわけである。

それは、いいのだ。既に述べたように、「ぴあ」のアンフェアな姿勢は、いまに始まったことではない。私が注目するのは、音楽祭の運営会社の態度なのである。

そもそも、実際にこうしたことが起こってみると、この音楽祭の運営主体がどこなのか、どうもはっきりしなくなってきた。とりあえずは運営会社が責任元になりそうに思われるのだが、このオフィスは単に企画を売っただけなのかもしれず、その場合、実際の日本公演の責任元は誰なのであろうか。例えば、NBSが招聘する海外劇場の公演ならば、佐々木忠治氏の招聘会社が明らかに責任元だ。しかし、フォル・ジュルネの場合、その責任元がはっきりしない。

【誰が責任者?】

なぜ私がそのことについてこだわるかといえば、まったく謝罪がないからである。一応、案内のメールには「イベントを心待ちにしていらしたお客様ならびに関係者の方々には多大なご迷惑をお掛けいたしますことを、心より深くお詫び申し上げます」と書いてあることはあるのだ。しかし、これはだれが謝っているのであろうか。差出人は、「LFJ『熱狂の日』音楽祭事務局」となっているが、では、事務局の責任者は誰なのであろうか。実際、払い戻しの窓口もばらならなのであって、ここから誰が責任をとるのかを見極めることは難しい。

責任者がはっきりしないためでもあろうか、既に述べたように、払い戻しのルールでも、「ぴあ」とKAJIMOTOではちがいがある。

いろいろな不利益にもかかわらず、次の条件を満たせば、私はこれを損失とは考えなかったであろうし、音楽祭への信頼も揺るがなかったであろう。それは責任者が自らの責任を認め、平身低頭、謝罪することである。

【責任者の謝罪があれば納得する】

結局、このような事態に至ったのは、何が原因なのであろうか。地震や津波、そして、原発であろうか。このような未曾有の事態がきっかけであるし、ある程度、不利益を蒙ることも、フォル・ジュルネのためならば致し方ない。しかし、それに納得するためには、責任者からの十分な説明と謝罪がなければならないはずだ。責任者は地震や津波、原発というきっかけはともかく、責任者として自分が会場の確保をできなかったこと、出演すべきアーティストを説得しきれなかったことを真摯に謝罪すべきなのである。

その態度があれば、私たちはこれから練り直される新しい企画や、来年度以降のイベントにも期待をつなぐことができただろう。しかし、実際に送られてきたのは甚だ事務的な案内のメール=1通であり、例えば、ホールの損傷についての詳しい情報(国際フォーラムのホームページを調べないとわからない)や、公演の維持がいかに難しいかが透明になっていないのである。また、音楽祭のホームページには、未だいかなる記載もなされていない。あまつさえ、メールで挙げている原因は地震や原発といった不可抗力だけである。特に、後者の国際基準の引き上げによるアーティストの反応を理由に挙げるなどは、私の反発を逆撫でするものでしかない。

【土・日が冷却期間?】

さらに、このメールは金曜日の午前9:00すぎに配信されており、私たちの多くが夕方、仕事から帰ってメールをチェックしたあと、少なくとも2日間は、この一応の責任元である事務局とは連絡がつかない状態になってしまう(事務局は土・日と、夕方 17:00以降はクローズとなる)。これはあくまで偶然だと思いたいが、2日間、この情報に接したチケット購入者たちの怒りを冷却するために、意図的にしたことと受け取られても致し方あるまい。

【お詫び】

以上のような理由で、私は完全に音楽祭の無責任さに辟易してしまったというわけだ。これだけ大きな失望を与える以上、音楽祭には通常よりも大きな説明義務が生じ、実際、金銭的にも不利益を受ける人たちに理解を求める姿勢が不可欠である。特に、「フレンズ」として単なる音楽祭のファンではなく、サポーターやトモダチとして行動してきたつもりの人たちに対しては、なおさら、その必要があるだろう。

それを欠いている以上、私はこれ以上、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」というイベントを支持することはできない。例年、私は詳細なレポートをつくり、事前のプレヴューにも余念がなかったし、このページをみる人たちには音楽祭を積極的に推奨してきたつもりである。しかし、その立場を自己反省し、まずはみなさんに謝罪したいと思う。そして、今後、このイベントを推奨することは一切ないと断言する。

深くこうべを垂れて、お詫びいたします。

【私ならこのように謝罪する】

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに期待し、チケットを購入してくださった皆様、イベント開催まで1ヶ月をきり、本来ならば、音楽祭のディレクターである私から感謝と歓迎の意をお示しすべきところではございますが、今般、まことに残念なお知らせによって、かえって、お詫びしなければならないこととなりました。

まず、音楽祭のメイン会場である東京国際フォーラムにつきましては、従来、3月11日の痛ましい震災のあとも、安全に問題なしとの報告を受けておりました。ところが、最近のたてつづく余震を気遣って改めてホールの点検を致しましたところ、電源系統の不具合を生じている個所が見つかりました。この結果、ホールA、ホールB7、ホールB5の各ホールが、適切な処理を施すまでは安全上、使用不可であるとの報告を受けました。

既に本音楽祭以外のイベントも中止が決まっており、今後の復旧の見通しは立っておりません。また、音楽祭まで1ヶ月を切る現在、代替のホール等を見つけて音楽祭のために環境を整えることは、私たちの能力の限界を超えていると判断いたしました。

また、今般、原子力発電所の事故によっては、ご存知のとおり、日本の現状について欧米ではきわめて消極的な情報が流されております。先日、日本政府によっても国際原子力事象評価の「レベル7」指定が追認されたことを受けて、一層、アーティストの来日に対する姿勢が消極的になっていることも事実でございます。音楽祭といたしましても日本の安全性を信じ、でき得る限り、アーティストの来日同意を得られるように努力して参りましたが、力及ばす、皆様とのお約束どおりに公演を維持することは難しくなりました。

具合的な対応につきましては追って、事務局より連絡を申し上げますが、まずは公演内容に大幅な変更が出ることをご報告し、販売済みのチケットにつきましては、まことに申し訳ないことながら、払い戻しの処置をとることといたしました。未曽有の災害にまつわることとはいえ、責任はすべて音楽祭の事務局、および、その責任者である私にあると感じております。まずは、衷心よりお詫びいたします。

また、この変更に伴いまして、もうひとつお詫びしなければならないことがございます。チケットぴあを利用して先行発売を利用し、チケットを購入なさった皆様には、券面金額のみの返金といたし、手数料等は返金できないということでございます。同社では先行発売のシステムを整えるのに備えて臨時的な設備の増設をお願いしておりましたが、公演中止の場合でも、その負担を賄うためには返還に応じられないとの報告を受けております。音楽祭といたしましても、まことに遺憾ながら、同社のその他の案件と比較して、責任者である私が同社よりの申し出に了承をいたしました。多くのお客様にご不満なく楽しんでいただくためにも、音楽祭にとって同社の協力は不可欠であり、上記の仕儀にいたりましたことは、深くお詫び申し上げなければならないものと存じます。

多大なご迷惑をおかけいたす分、現在、練り直しております代替の企画では、皆様により大きな驚きを感じていただけるような工夫をしていく所存であります。現在は皆様にお願いするご負担のこともございまして、とにかく頭を垂れてお詫び申し上げるのみでございますが、音楽祭を支える「フレンズ」として、是非とも温かい支援の志をお示しくださいますよう、厚かましくもお願いするものでございます。

・・・余計、怒られますかね?

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