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2011年6月 8日 (水)

店村眞積(ヴィオラ) 都響 特任首席奏者として移籍

6月1日から、N響で首席ソロ・ヴィオラ奏者を務めていた店村眞積が、都響に移籍した。都響での待遇は、「特任首席奏者」となっており、都響でも初めて用意されたポストである。店村は1948年生まれであるから、「60歳定年」といわれるN響における定年は既に過ぎていた。今後は後進に道を譲り、都響で新たな役割を果たすことになる。

店村は桐朋学園大の卒業生で、この世代に多くの優秀な人材を輩出した、日本型教育の著しい傑作=エリートである。フィレンツェ歌劇場で首席ヴィオラ奏者としてセレクトされ、ソリスト、室内楽奏者としても積極的に活動してきた。国内では読響→N響と移ったが、60代で都響に入ることで、一般的に、この国でもっとも優秀とされるオーケストラ3つの首席奏者を歴任することになった。現在、都響のヴィオラ・セクションには、店村と同じく桐朋出身で、海外経験のあるベテランの中村洋。そして、中堅のリーダー的存在である鈴木学がいるが、店村の加入で、あらゆる意味でセクションの強化が進むだろう。

N響は近年、楽団を支えたベテラン奏者が定年を迎えて、次々に退団している。クラリネットは横川晴児と磯部周平がそろって抜け、フルートの中野富雄、ファゴットの岡崎耕治、トランペットの津堅直弘、ホルンの松崎裕などの名奏者が楽団を去った。そのため、ホルン奏者には首席がおらず、ファゴットやフルートの首席は1人だけという体制になっている。

ただ、ヴィオラ・セクションについては、店村が抜けても、首席の佐々木亮を筆頭に、首席代行に井野邉大輔、さらに、副主席としてモルゴーアSQでも活躍する小野富士、店村での弟子でもあった飛澤浩人、そのほかに坂口弦太郎などもいて、十分に手厚い。

定年を過ぎていたとはいえ、報酬的にもいちばん恵まれているとされ、経営基盤もしっかりしているうえに、国際的知名度もあるN響を退団した奏者が、他の常設オーケストラに移籍する例はきわめて稀である。国内オーケストラ内での成り上がりでは、これまで「あがり」とされてきたN響ではあるが、その実態がなくなってきたことをよく示している。また、都響については東京都からの予算減額、契約団員制度の導入などに伴って混乱もみられたが、近年は、コンマスに四方恭子を獲得、オーボエに広田智之を迎え、エリアフ・インバルと長期契約。首席客演指揮者にフルーシャを獲得するなど、盛り返しの動きがみられるようになってきた。

オーケストラの経営状況は、決して楽観視できる状態ではない。例えば、東京フィルは大幅な経済的苦境により、今シーズンは日本人の指揮者やソリストを中心に、プログラムを組むことになり、報酬も手厳しいものになっているという噂だ(しかし、3.11の震災以降は、外国人の動向に公演が左右されない分、日本人に特化したプログラムはリスク回避要因となっている)。また、東響もフランチャイズ本拠地のミューザ川崎が大型地震で損傷を受けて、一部公演をテアトロ・ジーリオ・ショウワなどに移しておこなわれている。東響を支援するために、かつてのコンポーザー・イン・レジデンスであった細川俊夫の縁としてはドイツにて、作曲家のヘルムート・ラッヘンマンとともにコンサートが開かれ、さらに英国でも、フィルハーモニア管の奏者の発案で東響のための基金が設立されて、支援金が日本に送られてきたという。

関西方面では、大阪センチュリー響が設立母体であった大阪府の所管から外れ、日本センチュリー響という民間団体としてスタートしている。

そうしたなかでの、大型移籍のニュースであった。スポーツ・ビジネスとはちがい、ひとりの奏者の動きで大きなマネーが右から左にいくというような話にはならないが、都響で店村が弾く風景は、早めに拝んでおきたいものである。

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