ラザレフ チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 日フィル 杉並公会堂シリーズ 第1回 5/13
【近代的な軋みのなかで】
ロシアは、大雑把な国だ。それなのに、社会主義や計画経済に乗り出してみたりするから、見事に失敗するのも止むを得ないことだ。もちろん、ロシアという国の政治について私が知っていることは少ない。レーニンもトロツキーも、まして、スターリンなんてよくわからない。フルシチョフにブレジネフ? 挙句の果てに、プーチン独裁。よくわからぬものをわかったように言うのもみすぼらしいが、強かなロシアの世界戦略なんて、どうみても張子の虎ではなかろうか。ラザレフの音楽が、それを語っているのだ。ロシア、あるいはロシア人の音楽の特長とは、彼らの好むあのつよい酒によく似ている。ピアニストのアファナシエフがロシア楽壇の腐敗の象徴として、音楽劇『展覧会の絵』のために持ち出したお馴染みの酒、ウォッカのことだ。
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