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2013年1月 1日 (火)

2012 コンサート・ベスト10! 【セレクション】

それでは、あまり深い意味はありませんが、順位付けをしてみたいと思います。

第1位 R.エリシュカ&札響 ベートーベン 第九

第2位 難民を助ける会「忘れないで 3.11 チャリティ・コンサート」

第3位 二期会 ワーグナー『パルジファル』

第4位 西澤健一(作曲家)個展

第5位 小森輝彦 Br. &服部容子 pf. シューベルト 美しい水車小屋の娘

第6位 藤倉大(作曲家)個展 アンペール

第7位 森鴎外翻訳 グルック『オルフエウス』

第8位 ジョイ・バレエ・ステゥーディオ ラモー『プラテー』

第9位 はなみがわ風の丘ホール 小空間オペラ『リゴレット』

第10位 アンサンブル・ノマド ジェフスキー『カミング・トゥギャザー』

エリシュカに始まり、エリシュカにおわった1年でした。これまで、この指揮者の特別さを感じながらも、1位に挙げることはしませんでした。しかし、今回の第九は、この作品について、もう随分と知り尽くした気持ちになっていた自分のアタマを、力づよく殴られたような衝撃に満ちていました。録音もされた札響と、N響で演奏されたドヴォルザークの9番や、6番なども素晴らしかったのですが、ベートーベンの第九はそれまで彼の演奏のなかに感じてきた、ドイツ音楽本流でのエリシュカの指揮能力を改めて証明してみせたし、この分野でも、老翁が私たちに音楽の本質を堂々と語ることができることを体現してみせたのです。

第3位の『パルジファル』や、第5位の小森輝彦による『美しい水車小屋の娘』も、よく知られた作品の本質を別の角度から、しかも正攻法でみせる優れた公演でした。

第7位~第9位のものは、インディペンデントな主催者による優れた公演です。第7位は文京区のまとまった支援を得ていますが、第8位/第9位の2公演は完全なインディペンデント系の公演です。ノミネートに入れなかったものの、チェコ音楽祭という催しもこの系列に入り、優れた好演でありましたし、私が贔屓にしている青いサカナ団も当然、インディペンデント系です。

第8位の公演は、街のバレエ教室がラモーの優れたオペラのジャパン・プレミエを、オーケストラ、演出付きのしっかりした舞台でやってしまった偉業であり、第9位の「はなみがわ」のほうも、民家の2Fを改装した独特の舞台によるものです。後者は音響などが十分でない小空間で、十分に作品の本質を語る公演ができることを証明するもので、どうしても金銭的リソースを食ってしまうオペラ上演の新しい在り方を模索するものです。ノミネートのほうで挙げた新国の『ドン・ジョヴァンニ』もそうした思想のうえに立つもので、これからは、こうした柔軟な発想で、なるべく質の高いものをつくっていく工夫が求められます。

今年は、現代音楽も良い公演が多かったと思います。そのなかで、知人の紹介を得て参加した西澤健一氏の個展を第4位に、サントリー財団の支援を受けた藤倉大の個展を第6位としました。さらに、アンサンブル・ノマドによってジェフスキーの『カミング・トゥギャザー』などが演奏されたロック的なコンサートを加えました。次点で、杉山洋一氏の指揮によるドナトーニの公演があったことを付け加えます。

西澤氏の公演はまったくのインディペンデントな公演であり、しかも、社会的にはまだまだ無名の方ではありますが、明らかに質の高い音楽活動を展開している若者がいることを知る機会となり、私にとって歓喜の一日となりました。藤倉氏は欧米でも評価が高く、特に音楽家の幅広い支援を受けていることから、これからも確実に声望を高めていくことでしょう。そのことが、皮肉にも、彼に対する理解がもっとも遅れている地域のひとつである日本で、改めて証明されたことを喜びたいと思います。特に、『アンペール』にはたまげました。

最後に、第2位の公演は、私たちがいま、本当に大事にすべきことが何なのか、教えてくれる大事な機会でした。この年明けから、復興特別税として所得税額が割り増しになり、国民はそのことを甘受していたはずですが、そのときの決意は少しずつ忘れられています。この貴重なお金がなぜか、中央省庁の改修費にまわったり、シー・シェパード対策などの目的外の使途にまわされないよう、私たちは厳しく監視をする必要があります。それはそれとして、まだまだ避難所がすべて解消したわけでもない厳しい現実を踏まえ、あと数ヶ月で震災発生から2年目になるいまも、私たちは、そのことと絶えず向き合いつづける必要があります。

演奏内容も素晴らしかったでのすが、「なぜ、やるのか?」が明確なコンサートは、大抵、内容もついてくるものです。そういう意味では、LFJはすこし路線を間違っているのではないかと思います。大事なところが、ブレブレになっています。彼らはまず、来てくれる人を大事にするという視点を正し、運営方針を根本的に改めるべきです。そのうえで、ファウンディングをするなら、理解も得やすいでしょう。

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