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オーケストラ

2017年4月26日 (水)

ペドロ・アルフテル ヒナステラ バレエ音楽『エスタンシア』 ほか 新日本フィル ルビー・シリーズ #6 4/14

【カナリア諸島の優しい風】

スペインで活躍する指揮者、ペドロ・アルフテルが、新日本フィルに客演した。同団にはウィーンで同門だった当時の音楽監督C.アルミンクの招聘に応じ、2006年に初めて出演し、プロコフィエフの交響曲第3番などの演目で素晴らしい成果を挙げた。当時は英語読みで、「ハルフター」となっていた。同年の夏、彼の手兵であるスペインのグラン・カナリア・フィルを率いて、再来日を果たしている(そのときは『アルフテル・カーロ』)が、それ以降は本邦との縁が途切れてしまい、NJPへの出演も実に11年ぶりとなる。今回は母国スペインの曲目で固めたが、特にヒナステラのバレエ音楽『エスタンシア』で、ナレーション・歌唱のついた全曲版の演奏は我が国では珍しい例となる。会場は、すみだトリフォニーホール。

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2017年4月23日 (日)

寺岡清高 ツェムリンスキー 交響詩『人魚姫』 ほか 新交響楽団 237th演奏会 4/23

【イン・テンポで始まるビーダーマイヤー時代】

寺岡清高の指揮による、新交響楽団の演奏を聴いた。彼のつくった演奏を聴くのは、2007年のブルーメン・フィルに客演したとき以来のことで、いま、大阪響(旧大阪シンフォニカー)のポストにあるように、どちらかというと関西でプレゼンスを示している指揮者。関東では、アマチュアへの出演が多いという印象になる。もっとも本人はいま、ウィーン在住ということであり、この日のようなプログラムにも現地の風が吹くというはずであった。ビーダーマイヤーから世紀末的ロマンティシズムの終焉に至るウィーン音楽の精緻を確かめる試みは果たして、どの程度、成功したのであろうか?

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2017年4月10日 (月)

古楽アンサンブル コントラポント with ヴォーカル・アンサンブル カペラ モンテヴェルディ ミサ「イン・イロ・テンポレ」 ほか 3/17

【概要】

クラウディオ・モンテヴェルディの『聖母マリアの夕べの祈り』、通称して『ヴェスプロ』は、古楽の演奏家や研究者、愛好家にとっては、特別な意味をもつ大曲である。歴史的にも音楽の系統の「汽水域」に位置し、その原点において圧倒的な新しさを示した、作曲家の物凄さを象徴する作品である。宗教的な興趣に基づく純粋な感動、多様で味わいぶかい独唱および合唱と、器楽のゆたかなヴァリエーション。楽器構成の今日にはない特徴と独特の魅力を含めて、この作品を知って、深く愛さない人はないというほどである。

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2017年3月25日 (土)

エリシュカ ブラームス交響曲第1番 札響 2日目公演&東京公演 3/11、14

【ブラームス交響曲ツィクルス最終回】

首席客演指揮者のラドミル・エリシュカと札響が、ブラームスの交響曲ツィクルス最終回となる第1番を札幌と東京で演奏した。エリシュカはヨーロッパである程度、共有されている感じ方があるとして、それを日本に伝えることを目的にツィクルスを進めてきたという。ツィクルスの演奏はアルトゥス・レーベルによりすべて録音され、市販されている。ドヴォルザークのツィクルス公演をおえたあとで、チャイコフスキーと並行して、彼らが追ってきた新しい目標が一応の完結を迎える特別な日であった。札幌2日目の3月11日と、東京公演3月14日を追ったリポートを示す。

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2017年2月18日 (土)

シルヴァン・カンブルラン(指揮) メシアン 彼方の閃光 読響 566th 定期 1/31

【昔に根づき、かつ、新しい音楽】

先日、NHKのBS放送で米国の放送局制作のドキュメンタリー『鳥たちに人生を重ねて』というプログラムを拝見した。中南米からカナダ方面を結ぶ米国東海岸のニューヨークは、渡り鳥にとっては貴重な中継地。マンハッタンで緑地が一点に集中するセントラル・パークには毎春、200種類を超える様々な鳥たちが訪れ、季節柄、巣を作り、子育てをするという。そんな鳥たちを追う、一歩踏み込んだバードウォッチャーたちの姿を捉えた内容であった。フランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンがそのようなことを知っていたのか、私は知らない。1987年、ニューヨークの地から、メシアンに新しい作品の委嘱があった。NYフィルの楽団創立100周年を祝う作品で、1992年の11月に無事、初演されたが、その場に在るべき作曲家の姿は客席にみられなかったという。当年の4月に、メシアンは亡くなっていたからだ。

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2017年1月30日 (月)

秋山和慶(指揮) 矢代秋雄 ピアノ協奏曲 (pf. 小菅 優) ほか 東響 648th定期 1/14

【フランキストの最期~時代的な潮流】

ことし最初のコンサート鑑賞は、東京交響楽団のものに決めた。楽団に長く貢献した秋山和慶の公演で、演目はメシアン、矢代秋雄、フローラン・シュミットという彼らしい個性的なセレクションとなっている。一見して、19世紀前半以降、パリの楽壇を飾っていく顔ぶれが思い浮かべられるプログラムだが、若干のねじれもある。メシアンは、ポール・デュカにつき、ブーレーズほか、今日までつづく現代音楽のメイン・ストリーム(そういうものがあるとすれば)のなかで、いまも一方ならぬ敬意を払われている作曲家だ。

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2016年10月25日 (火)

エリシュカ チャイコフスキー 交響曲第5番 ほか 札響 594th定期 10/14、15

【もっとも思い入れの深い演目】

このページでは、札響とエリシュカの特別な関係について多くを書いてきたつもりだ。氏にとって、もっとも思い入れが深く、妥協できないヤナーチェクの演目での苦闘に始まり、ドヴォルザークの後期交響曲ツィクルスを通じて、札響は指揮者とともに全国的な注目を浴び、それを背景に大きな成長を果たしてきた。メンバーの移籍、退団、早すぎる痛ましい死などもあったが、それらを乗り越えて、楽団はアンサンブルの精度を大きく高め、明るく開放的な響きをもった素晴らしいオーケストラになってきている。尾高の棚上げを機に、中心的なメンバーの離脱もつづいたが、代わりに若く有能なメンバーを加え、再び成長軌道に復帰したことが確認された。

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2016年8月31日 (水)

コルネリウス・マイスター ベートーベン ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 ほか 読響 名曲シリーズ @サントリーホール(2日目) 7/19

【マイスターと日本の聴き手との相性は?】

コルネリウス・マイスターについては、私はいくつかの録音を聴いて、質のよい指揮者であるという判断を下していたものの、これまでオペラを含む数回の来日は演目などの関係で、私の気を惹くものではなかったので、生演奏に接するのはこの日が初めてとなってしまった。読響には2014年の客演が初めてであったが、それがきっかけとなったのか、下野竜也の後任として、読響の首席客演指揮者の地位に就くことが今公演の直前に発表されている。注目の若手指揮者マイスターは、楽団トップのカンブルランとも縁が深く、シュトゥッツガルト州立歌劇場のGMDの座をも彼から襲うことになっている。この地位でうまくやれば、読響もカンブルランからの禅定というシナリオが見えてくるのかもしれない。

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2016年8月22日 (月)

ラザレフ グラズノフ バレエ音楽『四季』/ショスタコーヴィチ 交響曲第8番 日本フィル 定期演奏会 #682 7/8(初日) 

【ラザレフの9年間】

アレクサンドル・ラザレフが日フィルにおいて、首席指揮者として過ごした9年間を、彼としては念願のプログラムで締め括った。トップ・ポストを若手のインキネンに譲っても、両者の関係はつづくようだが、一応の区切りとなる公演を聴いてきた。ラザレフと日フィルは、純粋に音楽的なパートナーとして互いを認め合った。ラザレフは鬼軍曹的に強烈なカリスマでアンサンブルを率いるようにみえるものの、彼一代にして、日フィルを大きく変えたというような存在とまではいえないと思う。もっとも彼はひたすらオーケストラを愛し、ことあるごとに信頼を口にした。2011年の震災時、東京での公演を準備していた彼だが、当日に予定されていた公演自体は中止となっても、日本を見捨てずに来演をつづけたアーティストのひとりでもある。彼はロシア音楽を中心に、日本の聴き手の趣向に寄り添いながら、その真価をみせる働きを幾重にも巡らした。

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2016年8月12日 (金)

カンブルラン ディティユー チェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」 /ブルックナー 交響曲第3番「ワーグナー」 ほか 読響 559th定期 6/24

【峻険な道】

読響&カンブルランにとって、あらゆる要素を試されるタイトな演奏会であった。時間的なものでいえば、もっと長いコンサートはある。しかし、中身が濃く、密度がぎっしりと詰まっていて、演奏会を通して、高い集中力を維持するのは聴き手にとっても、演者にとっても楽ではない。この日の演目で注目されるのは、デュティユーの協奏的な作品「遥かなる遠い国へ」だろう。カンブルランの得意なフィールドのひとつであり、独奏者には人気、実力ともに高いジャン・ギアン・ケラスを起用した。だが、後半にはブルックナーの演目も控えている。さらに、カンブルランは前プロとして、ベルリオーズの序曲『宗教審問官』を置くことにしたことで、いくつかの峰を越える、峻険な道とはなったのである。

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