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室内楽

2018年6月21日 (木)

東京国際ヴィオラコンクール 本選①&② 6/1ー2

【力づよい中国の未来】

第2次審査から見守ってき東京国際ヴィオラコンクールも、4人のコンテスタントによる本選に突入した。この日のソワレに開かれたガラ・コンサートでは、コンペティションの副審委員長で、ヴィオラスペース全体のディレクターでもあるアントワン・タメスティ氏が、子どものころ、聴いた音楽は演奏家にとって、非常に重要な影響をもたらすと述べている。例えば、中国のコンテスタントはこれまで、非常にローカルな感覚を示すことが強かった。世界中に華僑が飛び出す開放的な一面も見られるのとは対照的に、国内的には依然として閉鎖系の文化も根強い同国では、音楽の強烈な中国訛りは日本や韓国のそれとは一線を画すものであった。中国を代表するアーティストである傅聰(フー・ツォン)と許忠(シュー・ツォン)、朱暁玫(シュー・シャオメイ)、上海クヮルテットなどのアーティストはどこかにこうした個性をうっすらと残しつつも、ノーブルな西洋音楽の特質を身につけたアジア人の先駆けである。

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2018年5月31日 (木)

東京国際ヴィオラコンクール 第2次審査 (2日目) 5/30

【早めに絞りすぎた】

コンペティション第2次審査の2日目を聴いた。8人全員を聴いての総括だが、忌憚なくいえば、最初のラウンドの突破を重視し、先のラウンドの準備まで手が回っていないコンテストタントが少なくないのではないかという印象をもった。そして、結果的にみると、よく準備された第1次審査だけで人数を絞ったことが仇となり、コンペティションのなかで成長していくようなコンテスタントを、このラウンドであまり見つけられないことは気になった。経験豊富で、傑出した審査陣からすれば、最初の15分だけで若者たちの才能を見抜くのも容易いことなのかもしれないが、ある程度、枠を広げておくことで、1番目のラウンドを抜けて自信をつけ、スコアを伸ばしてくる若者もいたかもしれないと思うと、いささか残念に思う。

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2018年5月29日 (火)

第4回東京国際ヴィオラコンクール 第2次審査 初日 5/29

【一挙に8名に絞る】

第4回東京国際ヴィオラコンクールは、5月26日から石橋メモリアルホールでの第1次審査が始まり、13の国と地域から集った32名のコンテスタントのうち、一挙に8名に絞り込まれて、29日からの第2次審査に突入した。この時点で参加者の国籍は5(4)に減り、地元日本に加えて、台湾、中国、韓国、セルヴィアの出場者が残っている。私はこのラウンドを、すべて聴けるように手配をした。個人的なことだが、今年はガラ・コンサートを捨てて、第2次審査の2日間と、ヒンデミット『白鳥を焼く男』による本選2日目にフォーカスして聴くことになっている。第1次審査を経て、選り抜かれた1/3ほどのコンテスタントによる演奏を聴ける予定だったが、若干、誤算が生じた。

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2018年2月16日 (金)

東京現音計画 #9 コンポーザーズセレクション4 近藤譲 1/31

【テニーの意外な顔】

東京現音計画の第9回のコンサートは、作曲家の近藤譲によるセレクションの回だった。このグループは、電子音響テクニシャンの有馬純寿、サクソフォン奏者の大石将紀、パーカッショニストの神田佳子、ピアニストの黒田亜樹、そして、チューバやセルパンといった低音の金管楽器を扱う橋本晋哉というメンバーをコアに構成されている。この日は1曲だけ、ヴァイオリンが入る曲があるため、亀井庸州がゲスト出演した。

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2018年2月 8日 (木)

関根日出男先生 一周忌 追悼演奏会 りんごとさくらのコンサート 2/6

【深いトレモロに感情を込めて】

チェコの言語、音楽、文化の研究家で、医師であった故関根日出男先生の一周忌を悼む音楽公演を覗いてきたので、報告したい。生前、氏は耳鼻咽喉科の医師として、東京の赤坂に開業され、患者を診る一方で、冷戦時代よりチェコの言語や音楽、文化に関する資料の収集等に努められ、日本におけるチェコ音楽の研究と普及に一方ならぬ貢献をされていた。昨年の1月18日、惜しくも亡くなられた。常に医師が本業であり、専門の学者ではなかったにもかかわらず、その業績にはしばしば一目が置かれ、2009年にはチェコ政府より「チェコ芸術の友賞」を授けられたことで、いっそう輝きが増した。

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2017年12月12日 (火)

相曽賢一朗 vn & 濱倫子 pf デュオ・リサイタル ベートーベン ヴァイオリン・ソナタ第1番 ほか @浜離宮朝日ホール 11/24

【新しいデュオ結成】

ピアニストの濱倫子の活動については、このページでも繰り返し取り上げてきた。私が最後に聴いたのは2014年の個人リサイタルで、その後、まったく来日(帰郷)がなかったわけではないが、数年ぶりに足を運ぶことになった。3年前には身重だったのが楽になり、学生時代以来のトリオからは脱けて、少しずつ環境が変わっている。ミリオンコンサート協会に国内のマネジメントが変わっても、あまり見るべきものはなかったが、今回、同事務所のヴァイオリン奏者、相曽賢一朗とデュオを組むことになり、ようやく新しい一歩を踏み出すことができた。両者は数年前から時間を見つけて邂逅を重ねてきたそうだが、2人を結びつけるのに役割を果たしたのはオーディオ出身の評論家で、プロデューサーの中野雄氏であるらしい。濱はドイツのカールスルーエを拠点に活動し、相曽は米国で、それぞれ演奏家、教育者として評価を受ける一方、母国ではあまりにも無関心に曝されているというべきだろう。

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2017年11月17日 (金)

ヴァレンティン・シルヴェストロフ 80歳記念ガラ・コンサート アレクセイ・リュビモフ pf ほか 11/9

【3時間で一挙に詰まった距離】

ロシアの作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフは、歴史のなかに埋もれた天才なのであろうか。そもそも、ここ100年ほどのクラシック音楽は、その歴史に触れるにも手ごろな資料が少ないのだが、わけてもシルヴェストロフは、そこからさらにはみ出るような場所で、美しい花を咲かせてきた。日本ではほとんど知られておらず、今回が初来日となった。そして、衝撃が走ったのである。いきなり80歳を祝う特別な機会で演奏された彼の作品には幅があり、同時に統一感にも満ちて、ずっしりと重かった。ホールのプロデューサーによれば2時間を予定していたというコンサートが、3時間に膨らんだのはなぜだろう。ともかくオペラよりも長い、この貴重な時間が私たちの距離をみるみるうちに縮めていったのだ。

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2017年10月13日 (金)

アンサンブル・ノマド ヴァスクス 『遠き光』 ほか 設立20周年記念 「饗宴」vol.1 9/23

【饗宴シリーズ】

現代音楽は、ひとつには優れた演奏家によって支えられているともいえる。ドイツ、オーストリア、フランス、アメリカなどには、必ず現代音楽を魅力的に演奏できる力強い発信者がいるものだ。アンサンブル・モデルンクラングフォーラム・ウィーンアンサンブル・アンテルコンタンポランICEなどのアンサンブルや、アルディッティQクロノスQのような人たちだ。また、かつてのロストロポーヴィチのように、優れた演奏家が個人で見所のある作品を広めていく例もある。この日の演目のひとつ、ペトリス・ヴァスクスの『遠き光』も、世界的なヴァイオリニストであるギドン・クレーメルの力添えなしには大きな成功を掴めなかったかもしれない。

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2017年7月13日 (木)

クァルテット・エクセルシオ ブラームス 弦楽四重奏曲第2番 32nd 東京定期 7/8

【日本では彼らにしか組めないプログラム】

この日のクァルテット・エクセルシオ(エク)の演奏会のプログラムは、日本のなかでは、彼らにしか組めないよう演目が並んだ。その内実は、すべてメインで通用するほどの十分なクオリティをもっている。しかし、ベートーベンの後期作品、シューベルトの「死と乙女」「ロザムンデ」のように、ニックネーム付きの著名な作品と比べると、広く知られてはいない。ブラームスだと、3番は比較的、よく演奏されるものの、2番となると稀だ。作曲年は、2年しかちがわないというのに。

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2017年2月19日 (日)

アンサンブル・ラ・レヴェランス フランソワ・クープラン リュリ讃 ほか 2/18

【太陽王ルイⅩⅣが支援した音楽家たち】

湯島の求道会館で、アンサンブル・ラ・レヴェランスの公演を聴いた。フランソワ・クープランのやや規模の大きな作品を中心に、リュリの作品のチェンバロ(クラヴサン)による編曲ものと、オトテールのオーボエ・デュオを組み合わせ内容だが、その背後にはひっそりと・・・否、堂々たる「太陽王」ルイⅩⅣの陰があった。畏れ多くも、彼はこのプログラムにはっきりと登場していたのかもしれない。リュリの放つフランス的香気と、アルカンジェロ・コレッリに代表されるイタリア趣味を媒介するアポローンの役として。「大クープラン」フランソワは、ややアイロニカルな興趣をもつオマージュ的標題音楽『リュリ讃』において、音楽と神話に関係づけ、彼の英雄リュリがアポローンによって聖地パルナッソス山に招かれ、もう一方の雄コレッリと邂逅し、新たにイタリア趣味を融合したトリオ・ソナタ『パルナッソス山の平和』を生み出すまでの様子を音楽にした。このアポローンがかつてバレエの踊り手として、その役を好んだという太陽王のことを指すのは明らかであり、クープラン、リュリ、オトテールらの支援者として、ルイⅩⅣの存在は欠かせないのである。

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