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室内楽

2017年2月19日 (日)

アンサンブル・ラ・レヴェランス フランソワ・クープラン リュリ讃 ほか 2/18

【太陽王ルイⅩⅣが支援した音楽家たち】

湯島の求道会館で、アンサンブル・ラ・レヴェランスの公演を聴いた。フランソワ・クープランのやや規模の大きな作品を中心に、リュリの作品のチェンバロ(クラヴサン)による編曲ものと、オトテールのオーボエ・デュオを組み合わせ内容だが、その背後にはひっそりと・・・否、堂々たる「太陽王」ルイⅩⅣの陰があった。畏れ多くも、彼はこのプログラムにはっきりと登場していたのかもしれない。リュリの放つフランス的香気と、アルカンジェロ・コレッリに代表されるイタリア趣味を媒介するアポローンの役として。「大クープラン」フランソワは、ややアイロニカルな興趣をもつオマージュ的標題音楽『リュリ讃』において、音楽と神話に関係づけ、彼の英雄リュリがアポローンによって聖地パルナッソス山に招かれ、もう一方の雄コレッリと邂逅し、新たにイタリア趣味を融合したトリオ・ソナタ『パルナッソス山の平和』を生み出すまでの様子を音楽にした。このアポローンがかつてバレエの踊り手として、その役を好んだという太陽王のことを指すのは明らかであり、クープラン、リュリ、オトテールらの支援者として、ルイⅩⅣの存在は欠かせないのである。

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2017年1月15日 (日)

現代音楽演奏コンクール 「競楽XⅡ」(本選) 12/16 

1945年以降の室内楽作品(クラシック音楽)で、そのパフォーマンス、演奏家としてのセルフ・プロデュース・スキルを競う「競楽ⅩⅡ」の本選会を聴いてきた。「競楽」はいわゆるコンペティションの一種ではあるものの、若手音楽家の発掘やプロデュース、教育的な効果や、音楽家どうしの交流をテーマとした一般的なものとは、いささか毛色がちがうものだ。私はこのコンペティションは、既にコンペティションのクラスからはみ出た、優れて個性的な表現意欲をもった音楽家たちの限界と可能性を問うものであると認識している。それは過去の入賞者、参加者をみれば一目瞭然であり、例えば、いま話題性の高い作曲家で、ピアニストの新垣隆も、第4回にヴァイオリンとのデュオで参加して、審査委員特別奨励賞を授かっている。

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2016年12月21日 (水)

ダンテ・クァルテット スタンフォード 弦楽四重奏曲第5番 ほか @鶴見区民文化センター・サルビアホール(音楽ホール) 11/26

【スタンフォードについて】

ダンテ・クァルテットは、英国を拠点とする弦楽四重奏団である。1995年、前身のピアノ四重奏団 DOMUS としての活動を引き継いで、同団創設メンバーのヴァイオリニスト、クリシア・オソストヴィッチを中心に結成された。リーダー以外のメンバーは近年、入れ替わっており、そのバックボーンも様々だが、演奏のクオリティを聴く限り、グループは発展的に新しい歴史を積み上げてきたといえるだろう。ドームスの活動は、どこにでも出張できる自前のコンサート・スペースを運搬しながら、ボーダーレスな広がりを狙った活動を行うところにあったようだ。現在のメンバーは教育や後進の指導に携わる者が多く、我々に身近なところでは英王立音楽院の教授で、今井信子の高弟であるヴィオリスト、井上祐子がいる(ヴィオラ・スペースなどにも出演)。この日のプログラムも、そうしたところに引っ掛けたような意味合いがあったのかもしれない。

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2016年10月 5日 (水)

小林秀子 va 室内楽演奏会 「ヴィオラの巨匠、ライナー・モークを迎えて」 9/18 @ムジカーザ

【欧州に腰を据える日本人】

この演奏会の中心にいたのは、ひとりの音楽家だった。小林秀子はドイツで、ヴィオラ協会の会長にまで上り詰めたステイタスの持ち主で、その見識と技能、それに人望の高さには疑うべきところもない。彼女の師はライナー・モークであり、カラヤン時代のベルリン・フィルで一時期、首席奏者を務めた実力者だが、程なく生地のケルンに帰って、後進の指導に喜びを見出すこととなった。小林もドイツのマンハイム音楽大学で、教授職を務めている。その弟子のひとりがこの日、ヴァイオリンを弾いた白田照頼だ。そして、第1ヴァイオリンを弾いたのは、小林の夫で、ダルムシュタット国立歌劇管で長年、コンサートマスターを務め、室内楽でも活躍するヤツェック・クリムキェーヴィッチ。東京フィル首席チェロ奏者の金木博幸が、我々にとって、もっとも身近だが、彼は小林の日本における学友である。

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2016年8月25日 (木)

アーサー・ブリス オーボエ五重奏曲 ほか 新日本フィル 室内楽シリーズ #102 吉村 知子・プロデュース 7/13

【ブリス:オーボエ五重奏曲】

新日本フィル(NJP)の室内楽シリーズについて、101回目の大島ミチルを中心としたプログラムには感銘を受けたが、次の回も連続して興味ぶかい内容になっていた。プロデューサーは、第2ヴァイオリン首席の吉村知美。自らは弦楽器奏者だが、フルートの野口みお、オーボエの新首席奏者である金子亜未を2枚看板とする公演で、特にアーサー・ブリスのオーボエ五重奏曲がメインに組まれている。この曲目については、私も鑑賞した昨年7月の「国際ダブルリードフェスティバル2015・東京」で同曲を演奏したことがきっかけになっているそうで、不思議な因縁を感じるものだ。

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2016年8月19日 (金)

笠川恵 グリゼイ 『プロローグ』 ほか 東京オペラシティ B→Cシリーズ #183 6/28

【平凡なるものの嘆き】

東京オペラシティの「B→C」シリーズで、ヴィオラの笠川恵のリサイタルを聴いた。ドイツのハイテク集団「アンサンブル・モデルン」の所属と聞いていたから、かなりの凄腕だろうと思ってはいたが、それ以上に説得力あるパフォーマンスで、難解な曲でも、よく知られた曲であっても、彼女がそういう(弾く)のなら間違いはないというような信頼感を抱かせる演奏だった。考え抜かれ、研ぎ澄まされたパフォーマンスが彼女の身上だが、とりわけ左手のパフォーマンスは美しく、柔らかみがあって、精緻な音楽に貢献している。ヴィオラらしい、深く、情感に満ちた音色が、楽器の深い部分から自然に奏でられている。

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2016年8月 5日 (金)

大島ミチル For the East (弦楽四重奏曲) ほか 新日本フィル 室内楽シリーズ #101 「女性作曲家の軌跡」 6/7

【個性のある企画】

新日本フィル(NJP)は団員のプロデュースによる、団員による室内楽シリーズを実施している。今回、101回目となり、かなりの回数を重ねてきたことになるようだ。私は以前から興味を抱いていたものの、なかなか他のイベントと比較して、行ってみようということにならなかった。下の小ホールも、どんなところか、わからなかったのもある。また、オーケストラ奏者どうしの急造アンサンブルによる室内楽では、さほど感動できないという体験もあった。しかし、この日の企画には、目にみえる個性があったのだ。大島ミチルの作品を取り上げたこと。そして、ファニー・メンデルスゾーンの曲目がプログラムされていることも、それである。

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2016年7月14日 (木)

第25回記念ヴィオラ・スペース~ヴィオラの誕生!バロックへの回帰 5/31 コンサートⅠ「バロック音楽の夜明け」

【メッセージ満載】

今年のヴィオラ・スペースは25周年を記念し、「原点に返る」と言いながら、蓋を開けてみれば、これまでにない新しい試みが満載だった。ヴィオラのほかに、ヴィオラ・ダ・スパッラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオラ・ダモーレ、それにバロック・チェロなどが登場する多様な楽器の饗宴であったと同時に、従来、それを使用してこなかったアーティストもバロック・ボウ、ガット弦を全員が使用、ピッチは(a’=415hz)のカンマ-トーン(バロック音楽のピッチについては、リンクのブログ記事が面白い)に調整するという徹底ぶりである。私が聴いたのは、『ヴィオラの誕生』がサブテーマとなった5月31日のコンサートである。毎年の恒例だが、東宮も今年は単身でご臨席という演奏会だった。

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2016年6月10日 (金)

アンサンブル・ノマド 平野一郎 龍を踏む者/ユン・イサン 大王の音楽 ほか 「照らし合うもの」vol.1 パラフレーズの広場、再生の泉 5/8

【木之脇道元プロデュース】

アンサンブル・ノマドの今回の公演は、代表の佐藤紀雄から、木之脇道元にプロデューサーが(一時的に)移行しての開催となる。木之脇は高度な演奏技術をもつフルーティストであると同時に、ジャンルにとらわれない、正にノマドな発想をもった作曲家、そして、脱ジャンル的なミュージック・パフォーマーとしても活躍している。例えば、作曲家の中川統雄とコンビを組んだ、Cockroach Eater(ゴキブリを捕食するもの)というアンサンブルでの活動では、豊富なテクニックと表現語法、さらに電子音楽の可能性を追究する、ロック音楽にもちかい、特殊なムーヴメントが展開されている。そんな木之脇が考えたプログラムは、トランスクリプション(編曲)、リ・コンポーズ(再作曲、再構築)をテーマに、「パラフレーズの広場、再生の泉」と副題されたものだった。

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2016年4月26日 (火)

アウエルバッハ アルカヌム ほか キム・カシュカシアン va. & レーラ・アウエルバッハ pf. 共同リサイタル @王子ホール 3/29

【カシュアシアンとアウエルバッハ】

キム・カシュカシアンは現在、世界最高峰にあるヴィオリストである。クリアな音色を正確に奏でる名手であるばかりでなく、音楽の語るメッセージに深くアクセスし、聴き手にそれを感じさせるための手腕にも優れている。また、ソロ・ヴィオリストとしては当然のことだが、現代の作曲家とコラボレートした作品にも積極的に取り組み、その活動を自ら楽しむだけではなく、創作上のパートナーとしても活躍しているようにみえるのだ。中堅の作曲家、レーラ・アウエルバッハにとっても、カシュカシアンとの関係は切っても切り離せないものだろう。米国籍のカシュカシアンだが、そのルーツはアルメニアにあり、ロシアのウラル山脈沿いの町、チャリャビンスクで生まれたアウエルバッハとはどこか、ソウルのレヴェルで近しい感じも抱いているのであろうか?

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