アンサンブル・ノマド バッハを越えて 「超える」vol.3 2/23
【総決算】
アンサンブル・ノマド、今回の定期公演は「バッハを越えて」というテーマで、様々な典礼作品、祈りの音楽が組み合わされたコラージュ的な演奏会がつくられたが、それは中心となるバッハの『ミサ曲ロ短調 BWV232』からの断章を含む25のパーツから組み上げられた、至極、複雑なものであった。キリスト教カトリックだけではなく、東方正教、ユダヤ教、イスラーム等にまつわる伝統的な音楽(もしくは音楽のようなもの)が集められた一方で、作・編曲はここ数年中というものも少なくなく、伝統的なものと、新しいものが自由に行き交う活気のある音楽の風景が描かれた。また、ジャンル的にも日常の祈りの呼びかけに用いられる経典の読誦から、ミサ曲のような典礼にまつわる音楽作品、ターン・テーブルや電子音を用いたノイズ・ミュージックによる即興的な演奏、ラッパーによる自由なパフォーマンス等を含めて、越境的なものとなり、レビューを組み立てるのも簡単ではなさそうだ。
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