My favorite artists vol.1 草 冬香 pf.
アンサンブル・ピアニストは、私が肩入れするアーティストのなかで、特に収穫の多いカテゴリーである。一口にピアニストといっても様々な持ち味の人がいるが、基本的には「相手役」の持ち味を引き出すことに長けているのだが、ときにはオペラの歌手のように柔軟で、こころに染み入る音楽をもつアーティストが存在する。そんなピアニストを見つけると、私は大喜びで自分のなかにあるリストのなかに名前を書き込んでいくのだ。
もっとも尊敬するピアニストは、メナヘム・プレスラーという人物だ。高名な「ボザール・トリオ」の創設以来、最後まで残った唯一のメンバーで、現在はかなりの高齢で、体調も衰えぎみではあるが、まだ世界を回っている気力には平伏するしかない。彼がいうには、例えばボザール・トリオのような弦とのアンサンブルで、もっとも重要なことはピアノがヴァイオリンやチェロの響きと同じになることだという。私はそうした言葉に大きなヒントを得た。
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