エベルト・バスケス Bestiario 動物寓話集 by アンサンブル・ノマド (レーベル:Urtext)
【現代音楽の語法に素直なバスケス】
現代音楽=コンテンポラリー・ミュージックについてはいろいろなことが言われてきたが、作曲家については結局のところ、自分の信じる道を行くしかないものだ。三枝成彰や吉松隆のような考え方も、まあ、一理はあるだろう。だが、私はいつも、彼らの考え方に煮えきらない逃げの姿勢を感じ取っている。この人たちは多分、なにかを捨てれば、それなりに得るものがあるという人たちであって、その立場からものをみているのにすぎないように思われるせいだ。一見、彼らの言動はアカデミズムや、作曲や音楽研究の正統、さらには漫然とした知性主義に抗うような姿勢でもみられるけれど、実際には自分たちの選択を正当化するような、自分に甘い論理に満ちているようにもみえないことはない。
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